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http://mylibrary.maeda1.jp/0507SovereignRating2020Jul.pdf
3.2017年7月以降の格付け推移(続き)
(アブダビがAAに残りクウェイトは格下げ、ますます格差開くオマーンとバハレーン!)
(2)GCC6カ国の格付け推移
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-G-3-02.pdf参照)
GCC6か国(UAE、クウェイト、カタール、サウジアラビア、オマーン及びバハレーン)の過去3カ年のソブリン格付けの推移を見ると、まず2017年7月時点ではUAE及びクウェイトの格付けが最も高いAAであり、これに続きカタールがAA-に格付けされていた。サウジアラビアはこれら3カ国より3乃至4ランク低いA-であり、オマーンは投資不適格のBB+であった。有力な産油(ガス)国が多いGCCの中で石油生産量がわずかなバハレーンのソブリン格付けはBB-にとどまっていた。
経済力の弱いオマーンとバハレーンはその後下落傾向が止まらず、バハレーンは2017年下半期にBB-からB+に格下げ、またオマーンは2018年上半期にBB+からBBに落ちている。その後2019年下半期までは6カ国ともソブリン格付けに変化は無かった。しかし今年上半期には、アブダビとともに6カ国では最上位の格付けAAを保持していたクウェイトが1ランク格下げされカタールと同じAA-になっている。そしてオマーンは2018年上半期に続いて再び1ランク格下げされBB-になっている。
この結果7月現在のGCC6カ国の格付けは、アブダビが最も高いAAであり、これに続いてクウェイトとカタールがAA-に格付けされている。サウジアラビアの格付けはこれら3か国からやや離れたA-であり、オマーンとバハレーンは上位4カ国に大きな差を付けられ、それぞれBB-及びB+の格付けである。GCCではアブダビ、クウェイト、カタール、サウジアラビアの上位4カ国が投資適格であるが、オマーンとバハレーンは投資不適格である。
以上
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