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http://mylibrary.maeda1.jp/0606SovereignRatingJuly2024.pdf
2.2021年7月以降の格付け推移
ここでは2021年1月以降現在までのソブリン格付けの推移を(1)G7及びアジア主要国、(2)BRICS及びトルコ、エジプト、並びに(3)GCC6カ国、それぞれについて検証する。
(投資適格で最も低いBBB-が続くインド!)
(1) G7及びアジア主要国の格付け推移(図http://menadabase.maeda1.jp/2-G-3-01a.pdf参照)
先進国の中ではドイツが過去3年間継続して最高のトリプルAの格付けを維持している。米国はドイツより1ランク低いAA+を続けている。なお米国の場合、S&Pは2011年にトリプルAからAA+に引き下げ、またS&Pと並ぶ格付け会社FitchRatingは一昨年トリプルAからAAに引き下げている。
アジアの経済大国中国と日本の格付けは過去3年間A+で推移している。AAAのドイツより4ランク、米より3ランク低く、過去3年間格差は解消していない。台湾は2021年は英国、仏、韓国と並びAAであったが、2022年上期に米国と並ぶAA+に引き上げられた。これに対してG7の一角を占める仏は今年上半期にAA-に格下げされた。
2025年には日本を追い抜き、米国、中国、ドイツに次ぐ世界第4位のGDP大国になると予測されているインドは[1]、過去3年間BBB-である。これは投資適格の中で最も低く、S&Pの格付け定義では「債務を履行する能力は適切であるが、事業環境や経済状況の悪化によって債務履行能力が低下する可能性がより高い」とされている。
(格付けなしのロシア!)
(2) BRICS及びトルコ、エジプト(図http://menadabase.maeda1.jp/2-G-3-01b.pdf参照)
コロナ禍前の世界的な経済成長の中で注目されたBRICs諸国のうち、上述した中国、インドを除く3カ国(ブラジル、ロシア、南アフリカ)並びに中東の大国トルコとエジプトを加えた5カ国のソブリン格付けの推移は以下のとおりである。
2021年7月時点ではロシアがBBB-であり、唯一投資適格であった。しかし2022年4月のウクライナ侵攻に伴い、S&Pは同国をN.R.(No Rating)として格付け対象から除外しており、現在もその状態が続いている。
2021年7月の格付けは、ブラジルと南アフリカがBB-、トルコは1ランク低いB+、エジプトはさらに1ランク低いBであり、4カ国はいずれも投資不適格であった。BBの格付け定義は、「より低い格付けの発行体ほど脆弱ではないが、事業環境、財務状況、または経済状況の悪化に対して大きな不確実性、脆弱性を有しており、状況によっては債務を期日通りに履行する能力が不十分となる可能性がある。」とされ信用度が低い。
トルコは2022年下期にB+からBに格下げされてエジプトと同格付けになったが、今年上半期に再びB+に戻った。一方エジプトはBからB-に格下げされ、トルコと明暗を分けている。
(続く)
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[1] 「IMF 世界経済見通し(2024 年 4 月):低成長続く先進国、高成長続くインド」参照。
http://mylibrary.maeda1.jp/0600ImfWeoApr2024.pdf
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