石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

IMF世界経済見通し:群を抜き6%以上の高成長を続けるインド(4完)

2023-08-04 | その他

(注)本レポートは「マイライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0582ImfWeoJuly2023.pdf

 

3. 2023年GDP成長率見直しの推移(続き)

(OPEC+の盟主サウジとロシアに明暗、インドは6%の高度成長!)

3-1 ロシアとサウジアラビアとインド

(図http://menadabase.maeda1.jp/2-B-2-03b.pdf 参照)

 サウジアラビアとロシアは米国と並ぶ三大産油国であり、両国はOPEC+(プラス)の盟主として最近は協調減産体制により石油価格の下落を抑え込んでいる。昨年4月時点では2023年の成長率見通しはサウジアラビア3.6%、ロシア▲2.3%であり、同年2月のウクライナ紛争ぼっ発が両国の明暗を分けた形であった。

 

 紛争により石油価格が急騰したことは輸出国のサウジアラビアに大きな追い風となった一方、紛争当事者のロシアは制裁の影響を受け経済に深刻な懸念が生まれた。2022年10月までの両国の成長率予測はほぼ同じ水準で維持されてきた。しかし今年1月はロシアの成長率が0.3%とプラスに見直された一方、サウジアラビアの成長率は2.6%に下方修正され、両者の格差は縮小した。さらに今回7月にはサウジアラビア1.9%、ロシア1.5%に見直され両国の格差はさらに縮小している。

 

米国を中心とする先進国による経済制裁が続いているにも関わらずロシアの成長率が上方修正されていることは、インド、中国をはじめとするグローバルサウスの国々が欧米先進国と共同歩調を取らず、或いはこれを奇貨としてロシアから安価なエネルギーを輸入し続けている現状を反映したものとみられる。

 

 アジアの経済大国であるインドの2023年のGDP成長率予測の推移は、6.9%(2022年4月時点)→6.1%(7月)→6.1%(10月)→6.1%(本年1月)→5.9%(4月)→5.9%(7月時点)である。昨年7月に下方修正され今回に至っているが、それでもインドの今年の成長率は世界平均を大きく上回る見通しである。

 

以上

 

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     前田 高行     〒183-0027 東京都府中市本町2-31-13-601

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