3.世界の石油・天然ガスの消費量
(2) 主要国の1990~2020年の消費量の推移
(首位交代が近い米国と中国!)
(3-2-1)石油 (図http://bpdatabase.maeda1.jp/1-3-G03.pdf参照)
2020年の石油消費量が世界1位から5位までの米国、中国、インド、サウジアラビア及び日本について1990年から2020年までの消費量の推移を追う。
1990年の米国の消費量は1,690万B/Dであり、日本は530万B/D、中国230万B/D、インド及びサウジアラビアは120万B/D前後であった。米国は日本の3倍、中国の7倍と大きな格差があった。日本の消費量は2000年以降凋落傾向にあり、2020年は330万B/Dにとどまった。米国も2005年をピークに続落、2020年は1990年とほぼ同水準の1,720万B/Dである。この結果、日本と米国の格差は4.3倍とむしろ広がっている。
これに対し中国の消費量は急拡大し、2000年代前半には日本を追い抜き、その後も増加の勢いは止まらず、2010年代前半に1千万B/Dを突破、2020年の消費量は1,420万B/Dに達している。日本の4倍強であり米国との格差は300万B/Dを切っている。
インドとサウジアラビアも漸増傾向にあり、インドは2015年に日本を追い抜き、またサウジアラビアも昨年には日本を超える世界第4位の石油消費国になった。
(アジアの天然ガス消費をけん引する中国!)
(3-2-2)天然ガス (図http://bpdatabase.maeda1.jp/2-3-G03.pdf参照)
アジア4カ国(日本、中国、韓国、インド)の2010年から2020年までの天然ガス消費量の推移を見ると、2010年は中国が1,090億立方メートル(㎥)、次いで日本が1,000億㎥、インド590億㎥、韓国450億㎥であった。 その後中国の消費量は急ピッチで増加、2016年には2千億㎥、2019年には3千億㎥を突破、2020年の消費量は3,310億㎥を記録している。
この間日本の消費量は2012~14年の1,200億㎥を天井に減少し、2020年には1,040億㎥となり中国との格差は3分の1に拡大している。インドと韓国の消費量は2012年以降500万B/D台でほぼ並んでいる。
(石油とガスの合計消費量ではまだまだ米国と差がある中国!)
(3-2-3)石油+天然ガス(図http://bpdatabase.maeda1.jp/3-3-G03.pdf参照)
石油と天然ガスを合計した消費量を米国、中国、ロシア、インド及び日本の5カ国で比較すると、まず2010年の消費量は米国が2,950万B/D(石油換算、以下同じ)であり、中国とロシアがそれぞれ1,130万B/D、1,020万B/Dと1千万B/Dを超えており、日本とインドは610万B/D及び430万B/Dであった。米国は2019年に3,410万B/Dまで伸びたが、2020年は3,150万B/Dと少し減少した。
中国は過去10年間一度も減少することなく2020年の消費量は2010年の1.7倍、1,990万B/Dに増加している。2010年に中国とほとんど差が無かったロシアはその後停滞し2020年は1,030万B/Dにとどまり、中国の半分近くにとどまっている。日本は石油、天然ガス共に過去10年間消費が減少しており2020年の消費量は510万B/Dで2010年を100万B/D以上下回っている。インドは天然ガス消費は停滞したが、石油消費は増加している。この結果合計生産量では2018年に日本を超えて現在に至っている。
(続く)
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