石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

業績が大幅に落ち込んだ五大国際石油企業:2019年度業績速報シリーズ(8)

2020-02-19 | 今日のニュース

II. 2019年の業績比較 (続き)
5.設備投資額
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-05.pdf 参照)
 2019年の5社の設備投資額はExxonMobilが311億ドルと最も多く続いてShellが230億ドル、シェブロン210億ドル、Total174億ドルである。BPは5社の中で最も少なくエクソンモービルの半分の154億ドルである。

(石油と天然ガスを合わせ400万B/Dに迫るExxonMobil)
6. 石油及び天然ガス生産量
(図http://menadabase.maeda1.jp/2-D-4-06.pdf 参照) 
(1)石油生産量
 昨年の石油生産量が最も多かったのはExxonMobilの2,386千B/Dであり、5社の中でただ一社2百万B/Dを超えている。ExxonMobilに次いで生産量が多いのはShell(1,876千B/D)、第3位はChevron(1,865千B/D)で、両社の生産量はExxonMobilの8割である。TotalはExxonMobilの7割の1,672千B/Dであり、BPは最も少ない1,288千B/D、ExxonMobilの5割強にとどまっている。

(2)天然ガス生産量
 天然ガスの生産量が最も多いのはShellの日産104億立方フィートで石油に換算すると1,789千B/Dであった。Shellのみが100億立方フィートを超えており、2位はExxonMobilの94億立方フィート(石油換算1,566千B/D)である。3位以下はBP(同1,349千B/D)、Total(1,342千B/D)、Chevron(1,193千B/D)と続いている。

(3)石油・天然ガス合計生産量
 石油と天然ガスの合計生産量が最も多いのはExxonMobilであり石油換算で3,952千B/Dである。2位はShellの3,665千B/D、その他の3社はChevron(3,058千B/D)、Total(3,014千B/D)、BP(2,637千B/D)である。ExxonMobilの生産量を100とした場合、他の4社はShell93、Chevron77、Total76、BPは67である。
 
 各社の石油と天然ガスの比率を見ると、Chevronは石油61%、天然ガス39%であり5社の中では石油の比率が最も高い。その他4社の石油:天然ガスの比率はそれぞれ、ExxonMobil(石油60%:天然ガス40%)、Total(石油55%:天然ガス45%)、Shell(石油51%:天然ガス49%)、BP(石油49%:天然ガス51%)である。BPは5社の中では唯一天然ガスの生産が石油を上回っている。

(続く)

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 前田 高行
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