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(アラビア語版)
(目次)
Part I:「イスラエル、イラン核施設を空爆す」(2)
第一章 未明の出撃 (2/4)
イランの核関連施設にはナタンズの他にウラン遠心分離に必要な六フッ化ウランを生産する施設がイスファハンにあり、またアラクに重水プラント及びプルトニウム生産炉がある。これら三つの施設が総合的に結びつけば、イランは米英仏露中の五大国及びインド、パキスタン、北朝鮮に次ぐ世界9番目の核兵器保有国となることができる。否、イスラエルが核兵器を保有していることは公然の秘密であるから、イランは10番目の核保有国となる。イスラエル自身は核兵器を保有していることを否定も肯定もしない。思わせぶりな態度を取ることがむしろ周辺アラブ・イスラム諸国に対する無形の圧力となっている。
その一方、イランの核開発を座視すればイスラエルは自国の優位性を失うことになる。そのイスラエルにイラン核施設を攻撃する絶好の機会が訪れた。米国の共和党大統領がイランと世界の強国が結んだ核開発協定を一方的に離脱し、経済制裁を課した。と同時に大統領はUAEなどアラブの数カ国を抱き込んでイスラエルと外交関係を結ばせた。さらに中東地域からの米軍の撤退を進めた。この結果、中東地域のパワーバランスが崩れたのである。
(続く)
荒葉一也
(From an ordinary citizen in the cloud)
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