Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(504)

2024-06-21 00:10:00 | コラム
きもかわい「い」→「い」たみじゅうぞう

大島渚「不倫報道ぐらいのことで、自殺する男ではないでしょう」

疑わしい。
じつに、疑わしい。

「その死」に疑惑がまとわりつき、未だ安らかに眠れていないのではないか、、、と思わせるのはモンローやブルース・リー。
そして日本の映画ファンにとっては、伊丹十三の死もそれにあたるのではないか。

97年12月20日、飛び降り自殺。


享年64歳―若いころから芸能の世界で活躍するも、映画監督としてデビューしたのは51歳だった。

よって、監督作は10本程度のもの。

『お葬式』(84)で鮮烈デビューを果たし、


『タンポポ』(85)、


『マルサの女』(87)、


『マルサの女2』(88)、『あげまん』(90)、『ミンボーの女』(92)、『大病人』(93)、『静かな生活』(95)、『スーパーの女』(96)、『マルタイの女』(97)などなどスマッシュヒットを連発していく。

好きか嫌いかでいったら「やや好き。」くらいではあったけれど、
マルサもあげまんもミンボーも伊丹映画から覚えたことばであり、「映画と社会性」の観点でいえば理想的なキャリアの築きかただったと思う。

父は天才・伊丹万作、
妻は宮本信子、
妹・ゆかりの夫は大江健三郎。



『ミンボーの女』公開後に暴力団から襲撃された事件もあり、死の直後から暴力団の関与を疑う声は多かったはず。

遺書があった―身をもって潔白を証明します。なんにもなかったというのはこれ以外の方法では立証できないのです。―ことから警察は自殺と断定してしまったけれど、
多くのひとが言及しているとおり、
レタリングデザイナーの肩書を持ち、美しい字を書いた監督が「大事な、大事な決意表明」を「ワープロ」で「そっけなく」仕上げるだろうか。。。

米国ならすぐに映画化されるであろう疑惑だったろうにね。

さて。
鈴木清順的というか、異色俳優としての評価も高い伊丹さん。
一般的には『家族ゲーム』(83)の「目玉焼き、ちゅーちゅー。」のパパだろうが、

『黒い十人の女』(61)と、
オオシマの怪作『日本春歌考』(67)もおすすめしておきたい。



次回のしりとりは・・・
いたみじゅうぞ「う」→「う」のじゅうきち。

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明日のコラムは・・・

『補助金も出ますが、、、』
コメント (2)
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