Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

シネマしりとり「薀蓄篇」(428)

2022-09-14 00:10:00 | コラム
たーみねーたー「2」→「2」1ぐらむ

QTやノーランの出現により「時間軸を徹底的にいじくる」映画が流行るのと同様、

群像劇や、
あることがきっかけで、その余波が多くのひとに影響を与えていく、、、みたいな構造の映画も「ときどき」流行る。

そのマイスター、アルトマンが死んだあとだって「それ」はつづく。

2000年―メキシコ出身のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが、『アモーレス・ペロス』を引っ提げてカンヌに殴り込みをかけた。


その後、複数の物語が同時に進行していく創りの集大成として『バベル』(2006)を発表。
(その2年前には、群像劇『クラッシュ』(2004…監督ポール・ハギス)がオスカー作品賞に輝いている…ね、やっぱり流行りってあるんですよ)



『バベル』を撮ったイニャリトゥの野心は買うがしかし、映画の出来としては「そのあいだ」に撮られた『21グラム』(2003)のほうが優れていると思う。



心臓病を患い、余命1ヶ月。ドナーを待つ身の大学教授ポール(ショーン・ペン)。
その妻メアリー(シャルロット・ゲンズブール)は、体外受精でポールとの子をもうけようとしている。

前科者ジャック(ベニチオ・デル・トロ)は、信仰に身を捧げることで救いを得ようとするが、ある日、交通事故を起こしてしまう。

犠牲者は、クリスティーナ(ナオミ・ワッツ)の夫と娘。
そして夫の心臓は、ポールに移植され…。

しんどい、ひたすらしんどい、ホッと一息つくことを許してくれない物語。なんだけれど、
正直いって話がどうのこうのというより、まず俳優さんの演技が素晴らしいのですよ。

これは、演者の映画だと思います。イニャリトゥとか関係なしに!



現在、コレ系の映画はあまり発表されていません。
アルトマンの後継者と目されていたPTA、ソダーバーグ、そしてイニャリトゥ自身も飽きが?きたようで。

たぶん10年後あたりに、新世代が再び流行らすのではないかしら。


ところでイニャリトゥ。
久しぶりの新作(=バルド、偽りの記憶と一握りの真実)が閉幕したばかりのベネチア映画祭に出品されていて、かなりの高評価だったとか?

はやく観たいです。


次回のしりとりは・・・
21ぐら「む」→「む」ら。

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明日のコラムは・・・

『止められるときは、止められる(^^;)』
コメント
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