Cape Fear、in JAPAN

ひとの襟首つかんで「読め!」という、映画偏愛家のサイト。

『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

初体験 リッジモント・ハイ(196)

2016-09-23 00:10:00 | コラム
もう忘れてやれよ―って話かもしれないが・・・

酔ってタクシー運転手を暴行しちゃったのが、奇跡の復活を遂げた前園ちゃん。
ハダカでなにが悪い!? と絶叫しちゃったのが、ツヨポン。
AKB卒業直後に泥酔して尻丸出し写真を撮られちゃったのは、前田あっちゃん。

一般人では「あるある」で済むレベルの話、、、でないのも含まれるが、つくづく芸能人って大変だ。

よく分からんのが、ドラマなどの打ち上げの張り込み記事。

読むと、まるで「はしゃいでいること、そのもの」が悪いような書きかたなのだが、そりゃ、はしゃぐでしょうよ、ひとつの仕事を終えたんだから。

そこいらへんは、我々と同じでしょう。


で、自分の、現時点における「最初で最後の、ヤケ酒」の話。

簡単にいえば。
ケツメイシのヒット曲、『さくら』のPVと同じ感じ。

映画監督を目指す青年(萩原聖人)が、見初めた女子をヒロインに起用して映画を撮る。

それをコンクールに出すが落選、彼女は励ましてくれるが、彼は荒れに荒れ、フィルムをメチャクチャにして、ひとり吞みにいく。

残された彼女はフィルムを元通りに片付ける。
きっと彼女にとってそれは、愛する彼の作品というより、ふたりの思い出が焼きついたものだったから、大切だと感じたのだろう。

ヤケ酒をくらう、主人公。
(やはりビールではなく、ウィスキー、、、に見える)

帰宅する彼の表情には、映画監督としての野心も、彼女に対する愛も、感じられなかった。
その表情で「終わり」を悟り、部屋を出ていく彼女。

「さくら」を見るたびに、ふたりはそれを思い出す・・・そんなストーリーだった。





当時の自分には、励ましてくれる素敵な女子は居なかったがね!!

専門学校時代―。
映像化を前提とするシナリオ募集があった。

自分はずっと温めていた自信作を提出、周囲の評判も頗るよく、こりゃ、まっき~通るよね! などといわれていた。

ロシアンルーレットに興じる若者を描いたもので、いま読み返してみても、尖っているな、面白いなと自画自賛出来る作品に仕上がっていると思う。

ところが落選。
いや落選だけならそこまで堪えなかったんだ、なにがきつかったかって、選ばれたのは美術コースや撮影コースのものたちで、いわば門外漢、専門とするシナリオコースのもの全員が選に漏れたという結果に、小さな小さなプライドを傷つけられたのである。

講師「牧野のは、面白いんだがな。一気に読めたという点では、いちばんだ。けれども、現代の日本で、若者たちがロシアンルーレットに手を染めるというリアリティのなさがね」

知らん知らん知らん!

じゃあなにかい、選ばれた、サーカスのピエロが少女を励ます物語にリアリティがあるってのかい!?

って、思った。

そうして、荒れた。

男5人で、居酒屋へ。

当時からビール党であったが、「美味い酒が呑みたい」ではなく「酔いたい」気分になり、最初からウィスキーや日本酒を「味わうことなく」胃に流し込んでいった。

60分程度で、記憶が飛んだ。

聞けば、自分の武器ともいえる万年筆2本を箸のように使い、それで鶏の唐揚げやポテトサラダを食べていたという。

どうやってアパートに帰還したのかは思い出せないが、べつにトラブルを起こしたわけじゃない。
ないが、書きまくって出来た「ペンだこ」を誇りにしていた時代、それを作った自分の相棒を箸として使うところに、ヤケの切なさが凝縮されていて切なくなってこないか?

こない?

自分だけか。

まぁいいや。


真剣に受験勉強さえしてこなかった自分にとっては、生まれて初めての「きっちりとした落選」。

だからこその、ヤケ酒だったのだと思う。


この年から15年連続で、シナリオ作家協会などが主催するコンクールに応募を始める。

よいところまで残ったこともあるが、入選はいちどもない。

そういうことに「慣れる」ことがよいとは思わないが、あのときを最後に、どんな結果であってもヤケ酒を展開することはなくなった。

どれもが自信作ではあるものの、そんなに甘い世界ではないことに気づいたから、、、なのだろうか。。。


おわり。

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明日のコラムは・・・

『俺はぜったいプレスリー』
コメント (3)
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