マックンのメモ日記

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浮体風力発電、従来の3倍の効率!再生可能なレンズ風力発電で日本を救えるか!

2012-01-15 17:06:48 | 宇宙・サイエンス・科学技術
九州大学の大屋教授は世界初の風車にチャレンジしている。海に浮かぶ風車発電だ。この風車をいくつも浮かべ、風車基地を作り原子力一基分のエネルギーを生み出そうと言うのです。この構想を可能にするのは大屋教授が開発したレンズ風車です。風車ですので再生可能な自然エネルギーですが、従来の風車に比べ3倍のエネルギーを生み出すことに成功しているのです。奇しくも2011年原発事故があり、今後のエネルギー問題をどうするかという時期でもありました。そんなときに新たな実証実験が始まろうとしていたのです。

この風車はレンズが光を集めるように、風車で風を集めることからレンズ風車と大屋教授は名付けたのです。発想のきっかけとなったのは紙コップです。何か集めるときに紙コップのように入口が広く先が細くなっているものはたくさんあると思いますが、それにヒントを得て、円錐形の筒の中に羽根を付ければと思いついたのです。そうすれば風がその筒を通り抜けるときに、中にある風車の羽根が風を受けて回るのではと考えたのです。これが実現できれば化石燃料や原子力に頼らない自然再生エネルギーができるのではと考えるようになったのです。しかし実験してみるとこれではうまくいかなかったのです。キーワードは高気圧から低気圧に風が吹くと言う事でした。だとすればこれに人工的に低気圧を作れば良いのではと、つまり大風を作ると言う事です。そこでコップの向きを逆さまにしたのです。するとコップの後に風の渦ができ羽根が早く回るようになったのです。

ところが筒をつけるより羽根を大きくしたほうが良いという人がいて、それに反発、さらに考えて筒を短くして効率を上げることに成功し、これをレンズ風車と名付けたのです。そして中国の甘粛省の砂漠地帯にレンズ風車を6基設置して、水をくみ上げ電気を生み出そうとしたのです。ところが3年後にそこに行って見ると、何と6基中3基が壊れていたのです。砂漠の風は想像以上に強く風車を壊していたのです。そこで羽の構造を強化したのです。ここでの実験はその後のレンズ風車の改良に役立ったのです。

この風車を考える前には、普通の人では考えないようなことまで実験していたそうです。何と空飛ぶ円盤です。半重力を利用して空飛ぶ円盤ができないかと考えて、かなり研究したこともあるそうです。それが一転、浮体風力発電へと考えが変わっていったと言うのは面白い話です。今の学問はあまりにも専門化され過ぎ、自分の分野以外になると全く分からないという人もいます。その点、大屋教授はこの全く繋がりのないようなことから世界初と言われるような浮体風車を考えつくというようなところに、頭の柔軟性を感じさせる話として興味深かったです。全く新しいものを生み出すには、こうした柔軟な発想と言うものがない人では新しいものを生み出すことはできないでしょう。あまりに常識に捉われ過ぎても常識的な物しかできないと言う証ではないでしょうか?

世界がエコロジーに注目され始め、風車も注目されたのですが、今までの風車の欠点はまず風切り音が大きくうるさいという事と、羽根を大きくすれば大きくするほどうるさくなり、風車は風の通り道に設置しなければならないので場所が限られるということ、もっと問題なのは風車が人家の近くにあると、風車が起こす低周波で低周波障害をもたらすという問題があることです。それらを考えると、日本で風車を設置できるところと言うのは限られてしまうということも、日本で風車発達しなかった理由の一つでもあったのです。

そこで目に付けたのが海上に風車を作ることだったのです。ここなら日本は海に囲まれていて、なおかつ海からの風が年中吹いてくるし、騒音問題や低周波問題にも気を配ることなく設置できるからです。こうして浮体風車構想が出来上がったのです。そして風車を5基、6基と増やすことで、原子力1基に相当する巨大な風車を作ろうと考えたのです。そこで不規則な風でも継続的に発電ができるよう実験を繰り返し、ついに世界初の海に浮かぶ風車を作ることにしたのです。それは18mの六角形をしていて、その中は発泡スチロールで埋め浮かぶようして、そこへ風車を立てるのです。この実験にあたり大屋教授はメイドインジャパンにこだわったのです。

町工場の人たちの意見を聞き、軸は鋼鉄製からプラスチックを採用、アームも町工場で製作して、協力して風力発電が作られたのです。そしてついに2011年、博多湾に日本の未来を変える風車が作られたのです。大家教授と町工場の夢の結晶です。140トンもの六角形の風車が着水、そこへ風車レンズを載せて600メートル沖の風の通り道に運んだのです。そして風車は風を受けて力強く動き回ったのです。

教授の夢は風力、潮力、波力、太陽光で小型原発に匹敵する自然エネルギーを生み出すことが夢だそうです。そして町工場の人たちも、「私たち町工場の者にも光を当ててくれてありがとう」と感謝して、「21世紀の新しい時代を切り開いてください」と言っていました。本当にその通りだと思います。ぜひ原発に頼らない再生可能な自然エネルギーで日本のエネルギーを賄えるものを作って頂きたいと願います。