見て歩記

暮しの中で心に留まったこと、なんでもかんでも。

栄枯盛衰

2016-10-05 16:13:59 | 想い

こんな日もあっていい。
そう思いながら、午後のひと時をのんびり過ごしている。
台風18号の予想がまさに近接の5日の午後である。
予想をはずしたのか、嫌に外は静か。
構えていただけに拍子抜けの気分なのだが、やはり出かける気にはならない。

さればとブログなど手掛けようとするのだが、それも気をそそるネタもない。
所在なく遡って過日の画像など眺めていて、ふと目の留まる一枚に出合う。
それは、半月前、芸北に「赤そば」の撮影に出向いたときのついでの一枚で、
屋根に穴の開いたくずれかけた廃屋が秋の田んぼの奥で佇むもの。



じっと眺めて、シャッター音を聞いた時、
はからずも「栄枯盛衰」の4文字熟語が脳裏をかすめて、
「待てよ。」と、更に過去の記憶を呼び起こす。
この家屋は確か以前にも撮っている。
余裕の時間に任せて、手繰り寄せ日時を巻き戻せば
2月9日の雪景色の中にひっそりと在る同じ顔の家屋。
「ああ、あった。」



見つけた安堵の気持ちと、
前を通る度に私にシャッターを押させたこの廃屋に寄せる親しみが綯い交ぜになって、
ブログの1ページを書かせる。

「栄枯盛衰」。

一棟の廃屋は、
この人の世の流れを
かつて賑わったであろう周辺の息遣いや、会話の数々を
私に気づかせてカメラに近づいていたのかもしれない。

今をしっかり生きよう

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする