をとなの映画桟敷席         ~ほぼ毎日が映画館

映画取材から編集裏話まで、るかのここだけの話を忘れた頃にアップします

初期の「男はつらいよ」

2005年08月20日 | 映画

初期の寅さんをまとめて3本見た。もちろんはじめて。
だいたい、おいちゃんが森川信さんのは見たことない世代だから、あんなちゃきちゃきで元気のいいおいちゃんはセンセーショナルだった。松村氏にしても下條氏にしてもおいちゃん=おじいちゃんなんだもん。
第1作を観て、おいちゃんの発する「ばかだねー」がいいことも書いたし、寅さんが健さん張りの侠客であることがちゃんと書き込まれていることは以前書いた。

さらに今回、2~4作を観て、寅さんの同業者の先輩格が晩年は脳梗塞や病気を患い、独りで寂しく暮らしたり亡くなったりするのを観て、「今はよくても、年取って気づいても遅いんだよ」と、舎弟の秋野太作を諭すシーンが2作続き、監督が山田洋次でなく、森崎東だからかなとも思った。
寅さんはずっこけだけでなく、粋な人であることを垣間見せるシーンもある。例えばオフの芸者さんが恋人と喧嘩めいているところへ「オイチョカブ」をしようといって連れ出してあげようとするシーン。遊び人出なくてはさらっと言えまい。もちろん流暢な口上のシーンも。

山田監督の寅さんは世話を焼くいい人で、森崎監督のは世話を焼かれる人というイメージの違いもある。
とにかく笑えるシーンは初期も満載で、英語塾の恩師の家で胃痙攣を起こして担ぎ込まれた病院で、商売のコツを教えたり、山奥の旅館の女将にほれて番頭になったり、江戸川ではボート上で寝ていてロープが解け、川下の浦安へ流れ着いたり、枚挙に暇がない。
おまけに、東野英治郎(初代黄門様)や若ーい山崎努(ちょっとERのコバッチュ先生に似てる)秋野太作、チョイ役の財津一郎、悠木千帆(のちの希木樹林)、花澤徳衛などなどゲストたちも一見に値する事請け合いだ。
コメント
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