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loisirs

日々、小さな楽しみを見つけて・・・

本 「新選組の料理人」

2018-06-25 | 

「新選組の料理人」   門井慶喜

 

蛤御門の変の大火で

家を失い

子供を連れて避難した妻おきよにも逃げられた菅沼鉢四郎

その大火で炊き出しをする新選組の粥を食べて

吐き出すほどの不味さに驚く

鉢四郎は働く女房に代わって

子供や妻の為に賄いをやっていたので料理のことはちょっと詳しい

粥に入っていた丸麦の調理の仕方が悪くて

芯はあるわ、悪臭は放つわの粥

丸麦の扱い方を教えたことが縁で

新選組に入隊を強いられる

新選組の台所を預かる賄いとして

剣もたたず

肝も据わらない鉢四郎が

尊王攘夷の嵐吹き抜ける

京市中の警察組織として恐れられていた

新選組と関わっていく

幕府がこの世から消え

新選組が京都守護職という地位もなくなり

京に留まる根拠を失うまで見届ける鉢四郎

鉢四郎の目から見た新選組の

流れといくすえを描いた本です。

 

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本「太陽の棘」

2018-06-24 | 
「太陽の棘」    原田マハ 著
 
第二次大戦後の沖縄
アメリカ基地に赴任した精神科医
エドが出会った『ニシムイ アート ヴィレッジ』。
そしてそこに住み
アート活動をしている
芸大出身のセイキチ タイラ他画家達。
絵画を通して生まれ育っていく
戦勝国アメリカ
敗戦国日本との国を超えた人間友情。
を描いたお話しです。
薄い文庫本ですが
かなり面白く一気に読める1冊でした。
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本 英龍伝

2018-06-23 | 
「英龍伝」    佐々木譲 著
 
伊豆韮山代官江川太郎左衛門英龍が
開国を迫るペリー来訪に備えようと蘭学、西洋砲術を学ぶ。
それに対抗せんとする古い体制派。
 
様々な妨害や難関を乗り越えて
ペリー来航から1年弱の間に徳川幕府の基礎作り、
大地震の被害を受けた下田の復旧に携わり
限界を超える激務についに病臥。
勘定奉行を任じられる為の登城を命じられるも
起き上がることも出来ず
ついに没するまでの一生を描いた本です。
 
特に興味深いのが大塩平八郎の乱、武装蜂起
英龍が開港の際の通弁としてジョン万次郎を推薦
しかし
アメリカの間者とみなされ同行を見合されたり
伊能忠敬の測量術で西洋式測地術で見事な地図を作ってみせる等々
今まで私が読んできた本に登場する
色々な人物が関わってきているところです。
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本「海からの贈物」

2018-04-27 | 

「海からの贈物」   アン・モロウ・サンドバーグ 著

           吉田 健一 訳

 

作者は大西洋単独横断飛行の成功者

チャールズ・リンドバーグと結婚し

彼女自身も飛行機を操縦していた女性です。

 

彼女に言わせれば

男性、子供、社会を養う為に

与え続けなければならないのは

女性の役割との考え。

 

作者がこの作品を書かれた時代と

今とのギャップは

アメリカと言えども

大きかったと思います。

 

なので

日本でさえ

昨今の女性のあり方と

この本に書かれている時代の女性との

微妙な差はあるかと感じました。

 

それにしても

いまだに

男性よりも

家庭における女性の立場は

制約を受ける場面も

まだまだ残っているのは現状です。

 

私自身

子育ての時期は

それはそれで楽しい事でもあり

育て甲斐もあり

ではありましたが

それでも

1人の時間の余りの少なさに

”一人になりた~~い!!”

と年に数回は感じたものです。

そして

夫に子供達を託し

例え一泊であろうとも

孤独への escape

一人旅が

どんなに自分をリフレッシュさせ

新たに子育てに、家事にと

力を与えてくれたかしれません。

 

それでも人間は

その場その時の状況で変化するもので

只今

婆となっては

1人でいるよりは

誰かと一緒にいたい

と思い始めているのは

まあ、

贅沢な感覚なのでしょうか。。。。

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本 「茶屋四郎次郎、伊賀を駆ける」

2018-04-08 | 
「茶屋四郎次郎、伊賀を駆ける」  諏訪宗篤 著
 
本能寺の変。
それをいち早く家康に告げたのは
今は徳川家出入りの一商人である茶屋四郎次郎。
追手を逃れて家康を
伊賀を通って三河の地へ送り込もうと一役かいます。
三河までいかに届けるか。
 
一方
光秀の家老
明智左馬之助に
刺客として差し向けられた肥田玄番。
 
茶屋四郎は
危機一髪のところを
幼馴染の平八郎に家康を託し
自分は玄番との一騎打ちとなります。
 
この最後の場面が見どころ
男っていいなあと思ってしまいます。
まあ
現代にこういう殿方は
おられるか
おられぬか。
というところですが(・v・)・・・
 
そしてまた
この頃の人達の移動というものが
どれだけ大変であったか
ということも
改めて考えさせられました。
アスリートででもなければ
同じ道程を
現代の人達が
果たして行きつけるものだろうか。
しかも
別便にて
移動して行った
女性がいるということに
驚きを感じています。
今更ではありますが。

 

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本 「キラキラ共和国」

2018-04-06 | 

「キラキラ共和国」   小川 糸 著

「ツバキ文具店」の第二弾です。

あの文具店兼代書屋さん

であるポッポちゃんこと雨宮鳩子が

ミツローさんと結婚して

ミツローさんが夫となったと同時に

可愛いQPちゃんの母親になり

名前改め守景鳩子となります。

 

ミツローさんにとっては

再婚となりますが

ポッポちゃんとQPちゃんの関係は

いかにも自然体で

家族が仕上がっていきます。

 

相変わらずのご近所さんとのお付き合い

この本で突然の登場人物

レディ・ガガもじってレディ・ババ

ポッポちゃん本当の産みの母。

多少の波風は立ちますが

穏やかに文章は流れていきます。

 

1巻目もそうでしたが

代書の文字が

生文字で印刷されていて

相変わらずの拘りを感じさせます。

 

読んでいて

心静かで楽しい本でした。

「ツバキ文具店」からの

進行文章ではありますので

その後

という意味では良いのですが

代書に関する文章については

私は

1巻のみでも良かったんではないか

と思われました。

まあ

考えように寄れば

それが主題であるのかもしれませんが。

 

 

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本 また桜の国で

2018-03-27 | 

「また 桜の国で」   須賀しのぶ 著  

第二次大戦に突入の頃のポーランド

大使館の書記生である棚倉慎は

ロシア人の父と日本人の母を持つハーフ

子供の頃は外観から偏見を持たれがちだった。

ベルリンからワルシャワへ行く列車の中でユダヤ人系ポーランド人のヤンと知り合う

 

当時のポーランドは

ドイツとソ連に制圧され

ユダヤ人迫害はそれは厳しいものであった。

且てシベリア孤児であったイエジは司法省に勤めるかたわら

孤児院を作り戦争孤児達をサポートしている

この孤児院こそ

レジスタンスの拠点となっている

日本の大使館はこれらの地下組織と繋がっており

ドイツと連合しているにも関わらず

ユダヤ系ポーランド人の亡命を助けている

 

リトアニア駐在の杉原千畝氏が

ナチスドイツに迫害されていたユダヤ人を助けた話は有名であるが

ポーランドでも

日本人は密かにドイツから彼らの身を助けようと努力していた。

 

棚倉慎は子供時代に自宅の庭に隠れていた

ポーランド人カミルと知り合う

彼は後アメリカ人の養子となり

アメリカ国籍を得て

ジャーナリストとなっていた。

 

この

カミル(後のレイ)

イエジ

ヤン

それと

日本の大使館で働いていたマジェナ

の5人は国を越えて

人間的な繋がりで

ポーランドの為に戦い抜くと団結

蜂起に加わる

ドイツ兵との戦い

結果ポーランドは敗れる

慎はこの戦いが後の世で埋没されてしまわない様

きちんと伝えられるべく

レイとヤンを逃すために

自分は犠牲となって

囮としてドイツ兵の前に出ていく。

 

逃げ延びたレイ

ここから何年か経た日本で

慎の父を訪れ

真実を伝える

 

流れるショパンの「革命のエチュード」

慎の父がレコードを回していた。

「いつか必ず三人で日本の桜をみよう」

慎 レイ ヤン三人の最後の約束だった。

 

ちょっと長くなりましたが

実際ページ数も多く

分厚い本で

本の重みと比例して

内容もかなり重みがありました。

 

避けきれず波に流されて

ドイツと手を結んでいた日本

そのドイツとの関わり等

この本の主題であるポーランドが

どういう国であったかという事は

全く知りませんでした。

 

第二次大戦の頃の

複雑な国々の関りを少し理解できた思いがしました。

そして

悲惨な戦争の最中にも

生きた人間の血を感じさせられる

温かい流れも知ったのは幸せでした。

ノンフィクション

モデルのあるストーリーです。

 

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本「江の島ねこもり食堂」

2018-03-05 | 

「江の島ねこもり食堂」   名取佐和子 著

 

江の島に住む

代々引き継がれているねこもりさん。

ねこもりさんは女性と決まっています。

 

お話は

まず

2002年 麻布から始まって

戻り

最後に2017麻布に終わります。

1915年すみゑの時に

ひょんな事で知り合い

友情が芽生えた鶴子から預かった

貝の髪飾り

それが最後に

2017年麻布に寄って

鶴子の孫

桜子に返されます。

 

その間

ねこもりを継ぐ

佐宗家に起きる

代々の出来事で

お話しが進められていきます。

 

お話の合間に

いぶし銀の様に登場する

猫たち

脇役ながら

どうしてどうして

猫好きの私にとっては

ストーリーの

重い役割を担って見えるのでした。

 

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本「GHQと戦った女 沢田美喜」

2018-02-26 | 

「GHQと戦った女 沢田美喜」   青木富貴子 著

この本を本屋さんで見つけた時

思わず手に取ってレジへ持って行ってしまいました。

沢田美喜さんとは

あの

戦後

アメリカ兵との間等に生まれて捨てられた子供を救った

大磯のエリザベス・サンダースホームを作った方で

これら

サンダースホームで育てられた子供達は

ちょうど

私と時世を共有していた子供達なのです。

そんなこんなで

興味を持っていた上に

ここ数年やっている

アンサンブルのお仲間の一人の

大叔母様にあたる方でもあります。

 

ただ

私はなにも詳しいいきさつは知らずにいましたので

この本から

美喜さんの

GHQとの闘いや

戦後すぐに生まれ育った私が知らなかった

戦後の本当の日本の姿

勝戦国アメリカの占領下にあった日本の姿

というものが

かなり明白に見えてきた感じがしています。

 

あの時代に

生きていた

あの時代だからこそ

しっかり生きていた女性の姿を眺める思いで読んだのでした。

 

岩崎弥太郎をおじい様に持つ彼女

理不尽なことには

決して屈しない

一途に

人生を駆け抜けた

女弥太郎と呼ばれた

女性のことを書いた本です。

戦後の産物混血児の孤児院として生まれたサンダースホームも

現代では

虐待で親と生活を別にしなければならない子供たちの

保護の場所として生まれ変わっている様です。

これぞ正しく時代の反映という事を

映し出している現実だと思うのです。

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本「ニューヨーク散歩」

2018-02-22 | 

 

「ニューヨーク散歩」   街道をゆく39  司馬遼太郎 著

相変わらず

この方の紀行文は面白いです。

まずはマンハッタン考古学

マンハッタンは

今から10数年前に娘が夫の転勤で住んでいたこともあり

2,3回訪ねたことがあります。

2,3回訪ねたからと言って

大きな顔は出来ませんが

それでも

小さな顔で

親しみを感じていた

と言わせてください。

 

若い頃は

NY

ハワイ

シンガポール

これらエキサイトしそうな場所場所は

却って全く興味のある地ではなかったのですが

年取ってから反対に興味が湧き始めました。

行ってみれば

やはり各地それなりの魅力はあるというもの。

NYでは

その頃の自分の中での最大の関心事

ニットカフェに入り浸っておりました。

 

でも

人種差別のあったアメリカです。

楽しいそんなことばかりではない。

マンハッタンも日本の幕末の頃は

WASPが主流の

それは凌辱を加える

暗い人間の醜い姿を映し出す時代であったのです。

新規にやって来た移民が嫌われ役に回る時代

まずはアイルランド人が

そしてその後やって来たイタリア人

WASPのW(白い)を条件として満たさない

黒人がそれにが取って代わり

ひどい仕打ちをうけることとなる。

 

そんな話から

「ブルックリン橋」

「ウイリアムズバーグの街角」

等々

お話は繋がっていきます。

最後のほうは

かなり

ドナルドキーンさんの登場となります。

 

拾い文

① 「マンハッタン」とはインディアン語で「丘から成る島」

だそうで

ハンマーで叩いても割れそうにない岩盤でできている。

 

② 画家ユトリロが絵筆を取ったのは

アルコール依存症であった彼を

お酒から気を逸らせ様と

母親が絵筆を握らせた

 

③ ヒットラー時代の

ホロコースト

という言葉は

ユダヤ教で燔祭に用いられる供物

供える獣の丸焼きを意味する

 

④ 最近日本でも盛んに騒がれているハロウィーン

アイルランドの万聖節。

聖徒=Hallow

All Hallows Even

から

HallowsEven →Hallow - een

となった

 

等々

色々 色々な

お話しが満載でした。

 

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