「リーチ先生」 原田 マハ 著
1909年リーチ青年と亀乃介との出会い
亀乃介は横浜の洋食屋で働いていた際
お客として来る外国人から自然と英語力を得ていました
そしてやはりお客として来た高村光太郎にその英語力と
お店の壁に貼っておいた自分の描いた絵を誉められます
その縁から高村家の書生となり
高村家を訪ねたリーチと出会う幸運に恵まれるのです。
バーナード・リーチはイギリスの芸術家で
日本とイギリスの芸術の架け橋となるべく日本を訪れたのです
その後亀乃介の英語力が買われて
リーチのお世話役となり
関係は深まっていきます
リーチは日本の陶芸にひどく惹かれ
陶芸を極めることに夢中になり
亀乃介はそのサポートをしつつ自分も芸術の道を深めていきます
時代は色々変化し
亀乃介はこの世を去りますが
リーチが1954年大分の焼き物の里
小鹿田を訪れた時に
偶然にも亀乃介の息子である高市と出会いがあります。
リーチを深く尊敬し
一途にリーチの為に尽くした亀乃介と
リーチの人柄をよく知れる1冊でした
このお話の中には
益子の陶芸家で知られる
濱田庄司や
富本憲吉
リーチの志を支えた
武者小路実篤
柳宗悦等
白樺派の面々も多く登場します。
私事になりますが
実は柳宗悦氏の甥に当たる柳悦孝さんの娘さん
柳由紀さんとは
小学校時代に同級生で
よくお宅に遊びに行ったものです
天井裏には蚕を飼っていらして
お母様は織物をなさっておられた記憶があり
なにかやはり普通のお宅と違う雰囲気に
私は魅せられて
わくわくして訪ねたものです。