熱源 越宗一 著
明治維新後の樺太のお話しです。
極寒の樺太に生まれたアイヌ人のヤヨマネワフ
と
リトアニアに生まれたブロ二スワフ‣ピウスツキ。
この二人は相共通する人物なのです
ヤヨマネクフは
開拓使達によって故郷樺太を奪われ
移住を強制されて北海道に。
ブロ二スワフは
ロシアの同化政策によって
母国語であるポルトガル語を話す事を禁じられる。
更に
皇帝暗殺計画に巻き込まれ、
樺太に囚人として送られる事になる。
この二人は
故郷を追われ文明を強要される立場にあります。
樺太で
二人は出会うこととなり
其々
時代の様々な困難に突き当り乗り越えて行く。
元はと言えば
金田一京助氏の
「アイヌ物語」の
山口安之助(ヤヨマネワフ)の人生を描いたものです。
金田一京助や
石川啄木
大隈重信
二葉亭四迷等歴史上の人物が次々登場。
これらの人々が
南極探検隊として関わる話まで飛び出してくる。
偶然にも
今この時
ヤヨマネワフが
天然痘やコレラの流行で妻や友人を失う話もあり
非常にタイムリーな話ともなります。
162回直木賞を受賞された本です。
私は
どうも賞を受賞された方の本は
得てして苦手なのですが
これは夢中になって読んでしまった作品でした。