【いくつになってもアン気分】

 大好きなアンのように瑞々しい感性を持ち、心豊かな毎日を送れたら・・。
そんな願いを込めて日々の暮らしを綴ります。

散り際の美学

2012-12-05 17:52:27 | 香る庭の花綴り

【アース色の中の 「ピンクの少公女」】




「この頃じゃ母さん、
昔風の冬 は来ないらしいね」
と、ウォルターが暗い顔をした。
というのは、11月の雪はとっくに消え去り、
12月中グレン・セント・メアリーは
黒いくすんだ地肌をさらしており・・・
(中略)
港が丘陵地帯の金色の腕の中で
煌き渡る晴れた日は僅かしかなく、
後は渋々した強情な日々が続いた。
炉辺荘の家の人々は空しく
クリスマスの雪を待ち望んだ。               
               【「炉辺荘のアン」 第13章】


   起床時は、たっぷりの日射し。
  その後は今日も日光を出し惜しみする空となりました。
  典型的な冬空。おまけに気温は、ほとんど上がりません。

   ところで、その葉をほとんど落としてしまった庭の紅葉(もみじ)。
  それは昨日も記したばかりですね。

   残っているその葉も丸く縮こまって、その葉色もいつの間にかアース色に。
  そしてこれもアース色になった枝にしがみついて離れません。
  最後の抵抗をしているようです。

   そんな中で頑張っている、リラ版 「ピンクの少公女」。
  周りが俄かにアース色になりつつあるだけに、やけに眩しいです。

   



   ところで、この紅葉(もみじ)。
  今日の朝刊に掲載されていた
  曽野綾子のエッセーで
  知ったのですが、紅葉の魅力は
  その自浄作用にあるそうですね。

   それは自分で不要な枝を
  折るという事。そう言えば・・。

   庭にはこんな枯れた枝が
  散らばっています。 

   あるいは本体の木枝に
  力なく引っ掛かっているものも。

   従って紅葉には鋏(はさみ)が入らない、
  軽く折れば、潔く折れるのだそうです。確かに。納得です。

   自然に生きる紅葉(もみじ)は、
  自分で不要な枝を風の力を借りて払い落して行く・・。
  1つの道をまっしぐらに生きる紅葉の木に、人生を思います。