【竜安寺石庭】
【鏡容池(きょうようち)】
縁に立つと、木隠れに鐘楼の屋根が見える。 竹垣巡らした狭い庭には、 千鳥に踏石も敷かれて、楓の木の下に蹲踞が、 伸びかけた葉を青く受けている。 旅館から移って来た時は、鐘楼の屋根越しに 薄く、桜 の枝もほんのり見えたが ―― 今は散って、今日の日曜は 葉桜雨 だった。 【吉屋信子作 「女の教室」】 |
昨夜から降り出した雨。
今日になっても午前中一杯は、ごく弱い雨が、
降ったりやんだりしていましたが、午後になってやっと上がってくれました。
ただ朝の早い時間こそ、日中は夏日近くまで上がった昨日の余韻で、
暖かかったものの、今日は日射しがない分、少々肌寒く感じます。
もう1枚、上に羽織った事は言うまでもありません。
【まるで 「花簪(かんざし)」 のよう】
【枝垂れ桜の天蓋(てんがい)】
さて、一昨日の京都散策。今日は、昨日の仁和寺から竜安寺の桜を。
この竜安寺も、これまで何度か訪れたものです。
相も変わらず、こちらも石庭を見て、
そそくさと・・といった状態であったような気がします。
丁度、修学旅行の団体と一緒になったのですが、
入口の所で15時45分。「16時10分に集合して下さい」 と引率の方。
観光バスなども、せいぜい滞在時間は、そんなものでしょうね。
そう言えば、まだ叔母が東京にいた頃、
寺院を効率良く案内しようと観光バスに乗った事があります。
「時間に追われ、人と足下ばかり見ていて全然、印象に残らない・・」
~なんて言っていた事を思い出しました。
ともあれ、ここでは枝垂れ桜が満開。
枝垂れ桜は大きな 「花簪(かんざし)」 のようで、すっかり堪能。
余談ですが、「花甘藍」とは、
「カリフラワー」 の事だそうですね。素敵な日本語。
【芍薬と花吹雪】
素敵・・と言えば、今日の引用文。
吉屋信子の 「女の教室」 では
珍しく主人公の2人が京都に住まいを
移したのでしたっけ。
今日のような雨を「葉桜雨」 と
言うのも素敵なら、作家の目を通した
岡崎や南禅寺などの描写も、
さすがです。
そうそう、桜の花びらの
絨毯も美しいですね。
ここでは庭師の方でしょうか・・
庭園に落ちた花びら1枚、1枚を本当に
丁寧に取り除いていらっしゃいました。
落ちたばかりの花びらは綺麗ですが、
茶色になると汚なくなりますものね。
世界遺産ともなれば、
庭園の管理も大変ですね。