廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

最近のプレスの優秀さ

2020年01月05日 | Jazz LP (復刻盤)

Bill Evans / Green Dolphin Street  ( EU WAXTIME 950675 )


昨年4月に180gカラーワックスとしてリリースされた最新のステレオプレスということで、どんな感じなのか興味があったのでAmazonで入手してみた。
結果から言うと、大変良好だと感じた。

A面のトリオは59年の録音で、ラ・ファロやモチアンと組む前の古い音源だが、音質がビクター盤と比べるとすっきりとしている。B面のズートが入った
62年録音もビクター盤よりも音質がクリアになっていて、音場感の空間の拡がりもより自然になっている。フィリー・ジョーのドラムの音でそれが
顕著にわかる。私は録音当時は未発表だったこのクインテットの演奏がとても好きなので、これは嬉しい驚きだった。

これを聴きながら、改めて最近のプレスは非常に優秀だと思った。音質が非常にナチュラルなのだ。そして何より演奏者の音が何のバイアスもなく、
まっすぐにこちらに飛んでくる。エヴァンスの音は紛れもなくあのピアノの音で、本当にエヴァンスらしい音で鳴っている。これは音楽を聴く上では
非常に大事なことだと思う。リヴァーサイドのオリジナル盤で聴くエヴァンスの音色がそのまま鳴っている。

プレスの品質も良く、とにかくノイズがまったく出ない。従前のレコードは溝を擦る物理的な音が多かれ少なかれあったけれど、イマドキのレコードは
溝と針先がまるでぴったりとフィットしているかのように、何のノイズも出ないのだ。無音部分は本当に無音で、ノイズがイヤならCDを聴け、とよく
言っていた話も今は遠い昔話に思える。

ステレオ感が特に際立っているということはないけれど、これも極めて自然な感じで、人為的な匂いはない。サウンド面で引っ掛かるところがないので、
音楽のみに集中できる。これがなによりだと思う。

オリジナル盤にのめり込むきっかけは音質の問題が第一だったわけだけれど、こういうプレスを聴いているとだんだんオリジナル、オリジナルと騒ぐ
感覚が後退していくのを感じる。目に見えない、目立たないところで少しずつ物事が変わってきていることを感じるのは私だけなんだろうか。


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4 コメント

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Unknown (ルネ)
2020-01-27 21:37:38
そういう意味ではジャケットは大事ですね。
私の場合は、JTのCMで一聴惚れして買ったクチなので、ジャケットは2の次でしたが・・・
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Unknown (MRCP )
2020-01-27 09:43:40
とりあえず買わないと内容はわかりませんものね(笑)
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Unknown (ルネ)
2020-01-25 22:22:36
いやいや、これは内容こそが最高です。
ジャケットはそれにマッチしたからこそ、より印象的になったんだと思います。
返信する
Unknown (MRCP)
2020-01-25 19:29:27
内容はともかくとして
ジャケ買いした人が多いんじゃないかなあ
阿部克自さんの写真でした。
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