著マサチューセッツ工科大学名誉教授のノーム チョムスキー
「いずれの大国も民意を粗末に扱う政府、つまり独裁者が牛耳っているという
本日の朝日新聞朝刊で、全ての問題は大統領が作り出している。関税で打撃を受けるのは小規模事業者や真面目に働く庶民である。これらは自然が起こした災害ではない、明らかに人為的な差別化・貧富の格差拡大につながる。
その結果として米国は凋落するのが目に見える。本書のあとがきp.380で指摘するように、日本銀行とFRBの株主の違いに起因する。日銀は日本政府が51%を所有する大株主だが、米国政府はFRBの株を持てない、実権は私企業が持っている。つまり米国は「世界の支配者」たちによる、世界の富を搾取するためだけの道具と変化している。
キリスト教福音派の思想下では科学さえ否定される、進化論・7月29日米環境保護局(EPA)の長官はガソリン車の排ガス規制を廃止。地球温暖化も無視・世界の潮流さえも、国際法も周りの視線も気にかけず、ポピュリスト的な政治家が被害者意識を煽って・集めて支持されアメリカ第一主義で突き進む。前政権の悪政のせいにして,組織削減・解雇の口実。
まさに人類の支配者として、人類を救うのではなく搾取するだけの自分ファーストの偽善者である。」
「世界は俺たちが支配しているのだ。雑魚は黙って従え」が米国の本音
メディアが報じない世界の本当の出来事を解説する本書を是非多くの人に読んで欲しい。
【誰が支配しているか】
・世界を陰で支配している「俺たち」とは、米国の資産家を中心とする西欧の超富裕層たちで、政権はその手先だ。彼らが世界を支配する原則は、強権統治で、デモクラシーとは真反対の考えに基づいている。これが、米国が世界のリーダーになってからの現実である。本書で、この構図が様々な事例を通じて分かりやすく絵解きされている。
【グローバリゼーションとは何なのか】
・米国主導のグローバリゼーションは、国境を越えて富裕層が容易に富を集める仕組みだった。それが30年経って明らかになってきた。米国企業は今や世界経済の50%を所有している。世界の富を手っ取り早く吸い上げることが出来るのが金融産業だ。日本の株式市場でも、金融ビッグバン以降、外人持ち株比率が増えるのと比例し「株主価値、株主還元」が声高に叫ばれ始めた。高株価、高配当は、ファンドを経由して欧米の超富裕層の懐を肥やしているのだ。超富裕層の支持を背景にしている米国政治家の関心は、超富裕層の意に沿うことなのだ、二大政党共に。
・一方で、グローバリゼーションの流れの中で、先進諸国の働く者の立場はどんどん弱くなっている。労働組合は縮小し、政治的力を失った。米国の政治は、もはや一般大衆には焦点を当てていない。
【国際法を無視する米国の考え】
本書には次のような指摘があり、改めて愕然とする。
① 米国の権力者たちは、米国は世界を所有しており、その権利を持つと考えている。
② 民主党のクリントンでさえ、(経済的、軍事的、人道的などの懸念があれば)米国が国際法などお構いなしに「一方的な軍事力行使」に訴える権利を有すると発言している。
③ オバマになってテロ兵器の使用が増え、特殊部隊も増え、その多くが暗殺部隊だ。この部隊は事実上大統領の私兵だ。
④ 米国はテロ大国で、法律や文明の規範に縛られないことを米国の政治家は正常だと思っているのだ。…一方、グローバルな世論調査によれば、米国は圧倒的に世界平和への最大の脅威と見なされている。
⑤ 米国には「米国例外主義」が根強い。米国がその国是、歴史的進化あるいは特色ある政治制度と宗教制度のために、他の先進国とは質的に異なっているとするというのだ。」