黒古一夫BLOG

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内閣改造、一夜明けて。

2008-08-03 09:40:43 | 近況
 今朝の新聞は、1面を「世論調査」結果にあてていて、朝日新聞は「支持率横ばい24パーセント」、東京新聞(共同通信調べ)は「福田内閣支持率31パーセント」の見出しが躍っていた。朝日新聞と共同通信の調査結果では「7パーセント」の開きはあるが、共同通信の場合「4パーセント」ほど上昇したとも伝えている。ところが、詳細を見てみると、内閣改造の最大目的であった「総選挙体制」について、朝日、共同ともに「麻生太郎」の自民党幹事長登用については、それなりに高い評価結果になっていると報じているが、次の内閣はどのような形がよいか、という問いには、「民主党中心」が「自民党中心」をかなり上回っていて、改造前とほとんど変わらないと結果になったと伝えている。ネットによる情報では毎日新聞の調査で「25パーセント微増」となっていた。いずれにしろ、改造前後で支持率はほとんど変わらない、ということである。
 それはそうだろう、あの閣僚の顔ぶれを見れば、いくら首相が「生活者の目線で政治を行う」と言っても、政治資金を潤沢に使える派閥の領袖(同クラス)をあれほど揃えた内閣に、本当の意味で「生活者」感覚があるか?という疑問は消えることがない。福田首相は、福田赳夫元首相の息子(昔からの大地主)、目玉の麻生太郎幹事長に至っては、あの「バカヤロウ解散」で有名なワンマン宰相吉田茂の孫で、九州の財界を牛耳る(?)「麻生財閥」(中心となる麻生セメントの前社長)の総帥で、元々「生活者の目線」などというものとは全く無関係の人である。また経済関係閣僚として入閣した与謝野馨(与謝野晶子の孫)をはじめとする何人かの閣僚は増税論者で、そのうち「消費税アップ」が日程に上がるのは眼に見えている―もちろん、総選挙前にそんなことはつゆほども言明しないだろう。しかし、もし自民・公明の与党が総選挙で勝利したときには、当然消費税はアップされる―。そのような人たちが「大物閣僚」・自民党役員として君臨する改造内閣、それこそもういい加減にしてくれ、と言いたくなる。
 第一、小泉政権下の郵政選挙の際に民営化に反対して「造反」した(現在の郵便局の現状を見ると、その限りで彼らは正しかった、と僕は思う。)議員を入閣させたり党役員に抜擢する、というのはどういうことなのか。自民党が「利権集団」だということはよく聞かされてきたことだが、「総選挙」で勝利するためには何でもする、というのでは、今日ほど「倫理=モラル」が問われている時代に、何をするのかと国民の「怒り」は収まらないのではないか。国民はいつまでもバカではない、ということを福田さんは早く知った方がいいのではないか、と思う。
 それに、「品格」ということであれば、毎週何十冊もの漫画誌を読了することを自慢している麻生さんであるが、政権党の幹事長が「漫画」で様々な情報を仕入れているというのは、いかがなものか。もちろん、漫画が悪いと言っているのではない。「少年ジャンプ」が創刊された時に大学生であった僕にしてみれば、漫画好きな政治家が一人ぐらいいても一向に構わないと思うが、奇しくも家人が彼の顔を見て「品格がないわね。あんまり好きになれない」と言ったことのリアリティを僕は重視しなければならないのではないか、と思っている。そういう人が、もしかして「教育行政」などにも口を出すことを想像するとぞっとする。第一、「国民的人気」があると言ったって、小泉流の「大言壮語」癖が大衆に「受け入れられているように」見えるだけで、実際はどうなのか、結局は、安倍晋三氏のように「お坊ちゃん」の脆さを露呈するだけではないのか。派閥の領袖かも知れないが、「福田首相とは哲学が違う」などと言っておきながら、幹事長を要請されれば、すぐに引き受けてしまう。全くどっしりしたところのない「尻軽」な印象を僕は持つが、どうだろうか。
 ともあれ、福田首相は「総選挙体制」を作ったのだから、できるだけ早く衆院を解散して総選挙を実施すべきである。国民生活など、それが終われば(結果として政権交代が実現すれば)いとも容易く安定することができると思うので、できるだけ早い時期の解散・総選挙を望む。

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