黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

そばパーティー

2007-12-14 12:08:06 | 近況
 昨日2年ぶりに大学で「そばパーティー」を行った。毎年、新しいゼミ生(3年生)が決定した後に、現役のゼミ生との顔合わせをかねて、指導教官の「手打ちそば」を食し、その後季節柄の「鍋パーティー」を行うというのが、黒古ゼミの恒例行事になっていたのである。昨年この恒例行事ができなかったのは、ゼミ生に問題を抱えていた学生がいたということと、僕自身が超多忙だったためである。
 今年は、秋に「紅葉狩り」に行ったついでに、福島(南会津・舘岩村)で「新そば粉」を買うこともでき、僕自身の気持ちも「そば打ち」に向けて紅葉させることができたので、満を持してパーティーを行ったのである。使用したそば粉、2.5キロ、少し多めの盛りそばにして17人分(プラス3人分、一人で3人前、二人前食べたのがいた)、設備が十分でない厨房で、しかも一挙に17人の学生が食べるそばを打つというのは、大変な作業であった。捏ねるところからゆでてざるに盛るまでを一人でこなす作業がどれほどのものであるか、1年間のブランクがあったので、いささか疲労した。
 幸い、たぶんお世辞も入っていたのだろうが、全員がおいしかったと言ってくれたので救われたが、そばを食べ慣れない学生たちのほめ言葉であることを考えると、額面から2,3割引いて考えた方がいいかもしれないと思った。僕も試食してみたが、つゆは完璧に(僕が考える理想に近く)できていたが、麺は最後の冷水につける手順を省略せざるを得なかったので、腰が少し弱いように感じた。
 まあ、全体としてはいいかな、というのが終わってからの正直な感想であったが、今朝起きて体の節々が痛くなっているのに気がつき、もし来年も同じようなそばパーティーをするのであれば、少し体を鍛えておかないと、だんだんしんどくなるのではないかと実感した。果たして、来年はあるのか?
 そばパーティの後も鍋でのコンパが9時過ぎまで続いたのだが、ゼミのコンパさえ開催するのが困難になってきているように思える(サークルのコンパはその限りではない)昨今の大学事情、いつまでも昨夜のような和気藹々としたコンパができるか、聞くところによれば、大学の4年間で教員と一度もコンパをせずに卒業する学生が増えているとか、そんな人間関係になっているところで、果たして「文学」は可能なのか(そういえば、本学趣旨院で僕の授業も受講していたことのある芥川賞作家青山七恵さんの「ひとり日和」も、人間関係が希薄になった若者たちの生態を描いていたっけな、と思った)。