牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

繁殖雌牛の育成(19)

2009-04-23 22:38:31 | 雌牛
⑩削蹄を定期的に行う(1)
野生種らは、蹄が容易く伸びない環境で生存している。
万が一蹄が伸びたとしても、彼らの責任である。
だから削蹄を定期的に行うことは、家畜化した人間の当然の行為なのである。

蹄が伸び、変形することで、なかなか妊娠しないという例をよく聞くことがある。
牛の削蹄を疎かにする結果、蹄が伸び過ぎ形が変形することで、つなぎが弱くなり、体重を支えるのに支障が起きて、歩様にも支障を来す。
その結果食欲が減退し、次第に体調異常に陥ることから、体型が崩れたり、ホルモン異常から繁殖障害を来すことになる。
管理法によっては、削蹄を必要としないケースもある。
牛の飼育場のコンクリートフロアーを設置時に、コテで慣らさないで、ガサガサにやや粗めに仕上げたり、使い古しの竹箒でスジを入れることで、そこで飼われる牛の蹄は、伸びても摩耗するため伸び難くなる。
但し、スキットステアローダーのバケットなどをフロア内で滑らせて走らせると、20年持たないでツルツルになり、削蹄効果はなくなる。

写真1は伸びすぎた蹄の先端を切る刀で、刀は木槌で叩いて使う。