牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

繁殖雌牛の育成(21)

2009-04-26 10:46:20 | 雌牛

写真上は蹄が伸びて、つなぎが弱くなっている。写真下は、削蹄により、蹄の角度が正常になり、つなぎが従前通りしっかりと成った状態である。



⑩削蹄を定期的に行う(3)
蹄の裏側を蹄底と呼ぶが、牛の蹄が伸びると言うことは、全体的に伸びるのと、伸びることによって蹄の立ち角度が変わるために、つなぎなどの立ち姿も変形し、身体を支えるのに次第に支障を来すことになる。
それは、蹄が伸びることによって同様に蹄底も分厚く伸びるため、蹄の角度が変形する。
全体の長さを整えたら、蹄底のどの部分を切り込むかで、蹄の立ち角度が変わったり、内蹄と外蹄の切れ込みが密着し過ぎたり、逆にV字状に開いたりする。
熟練を重ねて、そのポイントを熟知するほかない。
その他、削蹄鎌ではなく、植木鋏を改良したものを使って削蹄する方法もある。
牛をコンパネを敷き詰めた枠場の中へ入れて、鋏で削蹄するものである。
この方法は、熟練すれば、削蹄鎌同様の削蹄が可能であるが、経験が浅ければ、和牛の雌牛には、荒削りのため、最後は鎌で仕上げる必要がある。
この方法は、1頭の牛を同時に二人で2本づつ削蹄出来ることから、3~5分で削蹄可能なため、1時間もあれば20頭の削蹄が出来る。
この削蹄法は、見ているだけで感動するくらいすっぽりと切れる。




削蹄鎌でなく、特殊な植木鋏で簡便に削蹄する。
牛用枠場の地面にコンパネを3枚敷いた上に、牛を保定して削蹄する。



蹄の長さは指4本残してその先に鋏を入れて、後は蹄底を切り落とし、蹄の周囲や中央部を切って整えて終わる。



この方法は、牛がガサつかなければ、2名同時に削蹄出来るため、四肢を持ち上げるてまもなく短時間で楽に出来る。




この上下2枚の写真は、当該鋏で切り落とした蹄である。