牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

繁殖雌牛の育成(11)

2009-04-14 18:21:19 | 雌牛
                 写真1 生まれて2週間目の除角






④除角する(1)
除角については、複数の県に於いて、除角を推進する指導がなされているが、全国的な普及割合は、かなり低いようである。
前述したように、畜主の条件次第では、除角を必要とするケースもあるため、除角が不要とは言いかねるが、熟練の管理者の元では、必ずしも必要とは言い難い。
公共の施設などでは、管理担当職員の安全性を考慮に入れて、生後約1ヶ月以内に、角の生える部分に電気やガスを熱源とする除角器で数秒間押し当てて除角することにより、無角牛同様に除角しているケースがある。
写真1は、その除角風景である。
60年頃には、生後間もない子牛の除角に苛性加里を用いていたとある。
また、角が伸びたものを除角する道具としては、45年以前から利用されているもので、2本の柄を両手で円形状に回しながら角を切断する1)元祖除角器があるが、これは、切断面が平面に切れず、頭部の方へ丸く食い込むことがある。
切断面が水平に切れる道具に2)キーストン除角器がある。これは全長が90cm以上有り、木製の長い柄が着いていて角の切断面を、同器の先端の上下の刃の中に入れて、一気に両方の柄を植木鋏様に切るもので、かなりの重量感があり体格に自信のある術者向けである。