牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

繁殖雌牛の育成(8)

2009-04-11 08:33:13 | 雌牛


①各種予防接種を行う。
予防注射については、5種混合ワクチンとヘモフィルスワクチン(1回目)は、子牛生産者が実施して子牛登記書の裏にその接種の詳細を記して子牛の競り市に出荷するシステムになっている。
第2回目のヘモフィルスワクチン接種は、自家保留牛や競り市から新規導入してから、子牛登記書の裏に記された接種日から約1ヵ月目に実施する。
2回目を確実に接種しないと導入後1~3ヵ月目に突然発症する恐れがある。
5種混合ワクチンは牛伝染性鼻気管炎、牛ウイルス性下痢症-粘膜病、牛のパラインフルエンザ、 牛RSウイルス感染症及び牛アデノウイルス感染症の予防用であるが、このワクチンは生後4~5ヵ月目に接種しているケースが多いため、導入後にRSウイルス感染症の感染を受けた群飼いなどでは、月齢のやや高い牛ほど感染しやすく、もたもたしていたら死亡することもある。
それらしき感染を見たら、導入から3~4ヵ月以内の全頭に再度同ワクチンの投与が効果的である。
その他、アカバネウイルス生ワクチンや牛下痢5種混合不活化ワクチンなどの接種も考慮に値する。
これらの二つのワクチンは毎年実施することで、その接種効果が顕著となる。
最近は、牛用に2~6種混合の様々なワクチンが開発されていて、キャトルウィン-6などは、牛伝染性鼻気管炎・牛ウイルス性下痢-粘膜病2価・牛パラインフルエンザ・牛RSウイルス感染症・牛アデノウイルス(7型)感染症の予防を対象とした製品も出回っているようである。
予防用ワクチンについては、出入りの獣医師の指導を受けて、牛の事後の体調にトラブルが出無いよう細心の注意が不可欠である。

写真は、予防接種を行うために繋がれた子牛たち