牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

繁殖雌牛の育成(4)

2009-04-02 23:17:40 | 雌牛



繁殖用の子牛を育成するには、牛の体調を最優先として、牛本来の特長を生かした飼い方が正常な飼育法である。
その最大の特長は、反芻動物であると言うことであり、そのために「牛は草で育てよ」の格言通りに良質な粗飼料を主として育成することにより、順調な体成熟が可能となる。
それにより、体内の微生物、酵素、ミネラル、ビタミン類、ホルモン分泌などが正常に作用する。
このことによって、順調な発育や妊娠をものにすることが出来る。
良質の乾草やヘイレージを飽食させた上で、飼養標準にある雌牛の体重別に示されている可消化養分総量(TDN)、粗蛋白質(CP)、乾物量(DM)、可消化エネルギー(DE)、ミネラルなどが満たされるだけの配合飼料を補足する。
写真は、手作り連動スタンチョンを利用した育成中の雌牛群に、イタリアンライグラスなどのヘイレージを子牛の時から飽食させている様子であるが、このようにヘイレージを多量に摂取させることにより、カルシューム・リン・マグネシュームなどの無機物(ミネラル)等も確保されるが、粗飼料が良質であるほど蛋白質などは摂取過多と成りやすいが、飼養標準はあくまで、目安であって、個々の牛の消化能力には個体差もあるために、差ほど弊害になることはないようである。
その結果が、前回の雌子牛の良好な発育ぶりに繋がっている。
配合飼料で増体しているのではなく、ヘイレージ効果により腹容が豊となり、理想的な発育状態となっている。