牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

繁殖雌牛の育成(18)

2009-04-22 22:36:16 | 雌牛


⑨手入れをする。
牛を手入れするというのは、本来当たり前のことである。
牛たちによって、我々は生計を立てているからには、常に牛たちに愛情を注ぎながら、日常を接することは当然である。
牛飼いなのに、牛捌けや金ブラシのないことは、考えられないことである。
繁殖用の子牛を丈夫に育てるために、子供の頃は稲わらを叩いて柔らかくして束ねたもので、牛の体表面を毎日逆さ擦りさせられたことを思い出す。
わら擦りしてやると牛たちは、実に気持ちよさそうで満足げである。
牛へのわら擦りは、人の乾布摩擦の効果のように、体表面の血行を良好なら占め、食欲維持や健康維持に役立つためであった。
前回の鳥取開催の全国和牛能力共進会では、宮崎県から出品された全ての牛たちの被毛は、密植して細く柔らかく、ふんわり感があって、素晴らしいものであった。
おそらく、同県の関係者の指導により、入念なわら擦りが行われたであろうと推測している。
同共進会での宮崎県産のように、常に牛たちを美しくして育てることは、経済効果にも繋がる例である。