犬猫だけでなく、牛でも、相手が危害を加えるか否かを直感的に判断しているようである。
一方人同志の場合、顔に現れる表情や、語り口、様々な癖などから、ある程度の性格判断ができる。
牛の場合は、人なつこさに差があったり、角で威嚇したり後肢で蹴るなどの有無や複数飼い時に強弱関係があったりする。
また、舎外にいる人や動物への反応が神経質で敏感なのとそうでないのもいる。
これらの反応は、危害と感じる場合と甘えからの場合とにそれぞれ異なっている。
牛毎に、反応が積極的な牛と臆病な牛もいる。
つまり、これらの反応は知的かそうでないかの違いはあるが、人の場合と差ほどの違いはなさそうである。
これらは、日頃人がどのように接しているかによって、個々に差がある。
よく、牛だけでなく犬猫でも、餌を与えている人には、人なつこくなると聞くことがある。
しかし、それは必ずしも正解ではなく、与える人の性格によって若干異なる。
餌を与えなくても、なついてくる場合も多々ある。
牛とのコミュニケーションに無関心な飼い主の場合や、ことある毎に怒る飼い主の場合、牛も上記したような近付き難い様々な性格になる。
もともと子牛の時から性格の悪い牛はあまりいないはずで、牛は、飼い主の性格を概ね引き継いでいるように思われる。
牛の性格は温順であり、神経質でない方が、餌の食い込みも良く、常に安心して就寝したり反芻するために、増体速度も速く、肥育成績も良好であると判断している。