牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

稲わら効果

2008-12-08 22:45:44 | 肥育




素牛導入時に、市場名簿から得られる情報を出場牛と照らし合わせて、予め予定している導入頭数を確保するための品定めをする。
そのほかのデーターとして、過去に導入した牛に、出場牛の母親の能力を判断できる兄弟牛がいれば、大体の能力の見当を付けて、目星を付ける。
そのように吟味して導入し、肥育した結果、全く見当違いと言うことがある。
その原因の一つに、肥育途中にビタミン等の欠乏症状を来した場合である。
それらの症状が出れば、先ずその対策として、欠乏したものを補給する。
その結果、体調が正常になれば、それまで以上に食い込みが改善され、仕舞いには、増体が一向に止まらず、なかなか仕上がらない。
挙げ句の果て、筋間脂肪が多く、ロース芯面積が小さめで歩留基準値がAランクぎりぎりとなる。
勿論、BMS値も6~7止まりである。兄牛は、10~12だったというのに。
もう一つ原因が考えられる。
それは、粗飼料が考えられ、稲ワラが輸入禁止され、平成20年3月までオーストラリア産のウィートストローやバーリーストローを約3年間使用してきた。
その間は、総体的に肉質が今一で、血統を吟味した牛も、BMS値で2~3ランク下がった。
そして、輸入禁止が解けて暫くした平成20年3月から輸入稲わらに変えた。
その結果、先月当たりから、稲ワラ効果が現れ始め、従来の飛び級的な成果が得られるようになった。
稲わら以外の乾草などの給与法は、全頭に等しく施していることから、稲ワラの利用は、本来潜在する肉質能力を、麦わらなどより効率よく引き出されていると判断している。