牛コラム

肥育牛と美味しい牛肉のはなし

日光浴

2008-12-19 20:43:13 | 牛の病気







寒気の合間の日だまりは、牛でなくても心地よい。
11月競りの導入牛は100頭であるが、乾草での飼い直しが思い通りに順調に進んでいる。
導入牛は、牛舎条件により5頭、7~8頭、14~15頭飼いなど様々であるが、何れにしても当初は乾草主体で、2週間程度の間に、ふすまと発酵飼料を少しずつ与え、その後前期用も加えていき、1ヵ月余り経った現在は、各牛1頭当たり乾草を約4kg、ふすま1kg、発酵飼料1.5kg、肥育前期用1.5kgをペロリと平らげている。
これで、下痢や軟便になれば、稲わらを0.5kg加えている。
落とした体脂肪のために、多少スリムになったが、乾草のために若干腹容がで始めている。
概ね順調に経過している。
これからは、ふすまを切り、次第に発酵飼料と前期用を増やし、導入から4.5ヵ月頃までに乾草4kg、発酵飼料3.5kg、前期用5kgを食い込ませる。
それ以降は、この3種類を徐々に減らし、稲わらと仕上げ用配合を徐々に併用して切り替えていき、6ヵ月までに稲わら1.5~2kg、仕上げ配合7kg程度に増やし、生後月齢19~20ヵ月では、稲わら1kg、配合11~12kgを食い込ませて、いよいよ仕上げ牛舎へ移動し、2~3頭飼いに替える。
この時点で、体重を600kg以上にしておく。
この間に風邪や下痢を引き起こす牛は、その間増体もしないし、ビタミンAの消費が増え、仕上げ舎に入って1~2ヵ月目頃に同A欠乏症状となる。
この時期に、同A欠乏症の治療を施さざるを得ない牛は、増体は800kgになるが、本来の肉質能力は引き出せない。
常に糞の状態を監視する必要がある。
要するに、肥育牛は、常時健康に育てると言うことである。
それには、育成時の日光浴も重要な要素の一つなのである。
運動場付きの育成牛舎または、日当たりの良い牛舎が理想的である。