まろの公園ライフ

公園から世の中を見る

コンビニの灯り

2012年01月02日 | 日記

何を隠そう「コンビニ大好き人間」である。
深夜、帰宅途中にコンビニの灯りを見つけると
まるで誘蛾灯に引き寄せられるようにフラフラとドアを開けてしまう。

とくに買いたいものがある訳ではない。
ぐるりと店内を見渡し、本棚の雑誌を見たり、新発売とやらを手に取ったりした後
煙草と缶コーヒーを買って帰るようなことが多い。
コンビニそのものより、コンビニのあの人恋しい「灯り」に惹かれるのだ。

もう何年も前のことだが・・・
思うことあって、一年近く家に帰らず事務所で一人暮らしをしたことがあった。
ちょうどTVの連続ドラマを書いていて
それに集中したいというのが家族への口実だった。
事務所はマンションで普段の生活に不便はなかったけれど
とくに欲しいものがないのに深夜になると恋人を求めるようにコンビニに出かけた。
時には自転車に乗ってわざわざ遠くの店に出かけることもあった。

夜の闇にホワーンと浮かび上がるコンビニの灯りを見ると
「やれ、うれしや」と飛び込むのが常だった。
きっと孤独で淋しくて人恋しかったのだろうと思う。
だったら家に帰ればいいじゃないか!・・・というご意見もあろうが
そう理屈通りにいかないのが人生なのですね。

かつて山田太一さんの脚本で「深夜にようこそ」というTVドラマがあった。
千葉真一演ずる謎の中年男がコンビニでアルバイトをすることになり
そこで知りあう店員仲間や客などの「若者たち」と心を通わせるようなドラマだった。
それぞれが人に言えない「孤独」や個人的な「事情」を抱えているのだが
現代の「吹きだまり」のようなコンビニでそれぞれがつかの間、慰め合い、癒し合う。
私にはそんな経験はあまりないが、何かせつない思いにとらわれるドラマだった。

基本的にコンビニは都会の若者、単身者が対象だった。
しかし、最近は一人暮らしのお年寄りも多く、利用客の平均年齢は急速にアップしている。
この灯りに惹かれてフラフラと・・・というお年寄りもきっといるに違いない。
都会人のオアシス・・・などと言うとありきたりだが
孤独人の「止まり木」ぐらいの効能あるのではないだろうか。

コンビニは暮れも正月も24時間開いている。
その数は全国でおよそ4万数千店。
すでに海外の店舗数が国内を抜いたと言うからすごい増殖力だ!
世界中で「コンビニの灯り」に救われる人たちが増えている。
経済効果もさることながら「癒し効果」も相当なものではないか。
そんなことを思いながら、いい年をしてまた今夜もコンビニを求めてさすらう私・・・