久保山酒店 BLOG

全国の地酒と焼酎を蔵元直送にてお届けする静岡の地酒屋「久保山酒店」の三代目店主のブログ。超最新、超新鮮な地酒情報を掲載!

【今、久保山酒店に出来る事】3月分の売上の一部を寄付します。

2011年03月23日 21時12分46秒 | Weblog
【今、地酒屋に出来る事】

私の仕事は地酒屋です。
小さな蔵元が一生懸命に造り出すお酒を蔵まで出向き、飲んで、話して、惚れて、特約店をいただき、皆様にお届け、そして伝えるのが仕事です。
お客様からは奨めてくれたお酒が美味しいと喜びの声を頂いています。

私はこの仕事(商い)が大好きです。

けれども、元々は酒類問屋でお酒の配送をしていました。
当時はいつか家を継ぐだろうな・・・どうにかなるや。

〝まっ~適当に仕事をしていればいいや〟~と夢も希望も無く、〝早く休みにならないかな〟~とばかりの毎日だったような・・・


《とうとうその日が・・・》

そして、元々病弱だった母親に医師からの当然の告知が。

後、3年・・・

末っ子で長男坊の私は小さい頃からお母ちゃん子で、その時初めて親孝行って何かを考えさせられました。

結果、家に早く入ること(継ぐ事)。母親を安心させようと考えました。

当時は親父と母親が店売りを中心に地元のお客様で賑わいを見せていた当店でしたが、次第に規制緩和となり、近くにディスカウント店が出現して来ました。近所のお客様は皆、そちらに流れ売上は減る一方、次第に常連さんは目をそむける様になっていました。初めはディスカウント店の真似事をしビール、洋酒などを大量陳列し活気だけは見せていましたが・・・当然、敵うはずがありませんでした。


《友人に誘われて》

元々、お酒が全く飲めなかった自分に友人からの誘いで居酒屋に行きました。
友人が〝このお酒が美味しいよ〟との事で、半端騙された気持ちで、地酒の大吟醸を飲まされました・・・
そこで全てが変わりました。

〝美味しい〟

飲めない自分にこんなに美味しく飲める日本酒があるんだと・・・

〝そうだ、自分と同じ飲めない人は沢山いるはず。だったら、この美味しさを伝える人になりたい〟との想いが体中を巡りました。

《次の日》

その、大吟醸の美味しさを忘れることなく、蔵の前に立っている自分がいました。
しかしながら、いきなり訪問してもお酒を分けてくれるはずがありません・・・
アポ無し、知識無し、無名の店と蔵元様は一生懸命に造ったお酒を自分の娘を嫁に出すように、お断りの言葉ばかり。

それから、半年。

来る日も来る日も蔵に足を運ばせ、自分の事を知ってもらい気持ちを伝えて、始めての特約店を頂き、今でもあの日のことは忘れません。

《ありがとう》

それから、数年後に母親は他界。
今、思うと母親の死は自分に道しるべを示してくれたのでしょう。
ありがとう。
酒屋の息子に産まれて、自分は酒屋をやるために産まれた運命を感じます。
お母さん~産んでくれてありがとう、ありがとう。

《現在》

いろいろなご縁により、家族・スタッフ・お客様・蔵元様・業者様・仲間達~に恵まれ本日も暖簾を下げさせていただいております。

当店が扱う全ての商品には売る、そして伝える理由があります。

お酒は人と人とを結ぶ心であり感動するもの。

世界総人口65億人の中で私と出会ってくれてありがとう。

そんな気持ちで毎日、商いをさせてもらっています。

その気持ちはきっとお酒の神様が結んでくれたご縁だと信じ、被災者の皆様に少しでもお力になれればと思う毎日です。

【今、地酒屋に出来る事】