☕コーヒーブレイク

時が過ぎていく。
ときには、その日の風まかせ。
ほっとひと息しませんか。

御婦人に出逢う

2015-06-23 07:54:56 | 日記
博多祇園山笠の男たちを描く
切り絵作家の小西一珠喜さんの「切り絵展」を
見てきた。
追い山や水法被姿の男の力強さが描かれていて、
迫力ある切り絵を楽しんできた。



帰り道、初めての店に食事で立ち寄った。
カウンターの席に案内される。
隣では先客の御婦人が食事をしていた。

私も注文した料理が来て食べはじめると、
隣の御婦人が、なんとお茶碗を見せながら
「ご飯の量が多すぎて食べられない」と
話しかけてきたのである。

見知らぬ人から食事中に
突然話しかけられ、
一瞬なんと返事したらいいものか、
少し間ができたが、
「茶碗一杯ぐらいは食べたほうがいいですよ」と
応える。
「そうですね」と再びご飯に箸をつけて
食べ始める御婦人。

御婦人から解放されて、料理を美味しく
食べていたら、
な、な、なんと御婦人、
今度は「私、幾つに見えます?」と
聞いてくるではないか。

幾つに見えるかと聞かれて女性の齢を
正直に言うような私ではない。
ここは見た目より、うーんと若く言うのが
紳士の礼儀というものだ、何歳と言おうか
迷っていたら、自ら「あたし75歳なんですよ」
と御婦人は言いよった。

華やかな柄の服を着て、オシャレな御婦人は
チラホラ頭髪に白いものがあったが、
60代半ばぐらいと思っていたから、
確かに実年齢より若く見える御婦人であった。

結局ご飯は全部きれいに平らげ、
「ごちそうさま」と
すました顔で店を出て行かれた。

私はこの博多御婦人の
昼下がりの「ランチ友」にされたみたいだ。