デジカメぶらりぶらり

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善と悪

2009-03-09 07:00:12 | Weblog
京都の仏像盗難事件の犯人は、盗んだ仏像を「信仰心から、毎日拝んでいた」と言う。盗人に拝まれた仏様は困ったろう.慈悲深く、盗みを許したのか。あるいは、早く捕まり悔い改める機会を作ったのか。

ある大学入試試験の国語古文にドキッとする出題があった。「人の妻を盗みし人あり」と。不倫妻が料理に毒をいれ、夫が口にしようとした。隠れていた密通男は、思わず「食べるな」と叫び、宿敵の命の恩人になったとの話。

人の本性には「善」があるとの趣旨で、模擬解答には「道徳や倫理を踏み外した者でも、他人が危険にさらされる時には善に従って行動する」とあった。

人間でさえこれくらいだがら、仏の心はさぞ深かろう。不適切な政治献金も「出所は問わず」に頂く、善を信じる政治家がいる。

お金に「毒」が入っているか疑うなどもってのほか。ひたすら手を合わせようと聞こえる。矛盾に満ちた人の世だ。

善も悪も、理屈と膏薬(こうやく)と同様どこにでもつく。

郵便局

2009-03-07 07:20:59 | Weblog
「かんぽの宿」売却を白紙にさせた鳩山総務相の第2の標的になったビルは東京駅前にある東京中央郵便局。

官庁らしく地味なデザインだが、丸ビルと並んで昭和初期から日本の玄関を彩っていた。歴史的価値も評価されてか、本体は取り壊しても外観の一部は保存され、完全消滅するわけではない。

大阪中央郵便局は再開発で完全消滅するが、東京の方だけが、鳩山さんから「国民の意思を聞きたい」と注文がついた。

発言に強制力はないが、違和感はある。加えて重文指定の基準が政治家の発言で揺れ動く不可解なおまけ付きだ。

もっとも、これは景観や文化の問題ではなく「政治力学」の話だというなら、議論は別にやってもらいたい。

ナンバー2

2009-03-05 07:30:16 | Weblog
巨大なデパートが並んで建っている。「よく共倒れにならないものだ。これが都会だ」と素朴に思う。

そのうち巨大都市を支える「ライバルの力」に気づく、大阪で心斎橋に並ぶデパートの「そごう」が隣の「大丸」に売却された。

同じ大阪駅前では「阪急」と「阪神」の両デパートが統合した。かつて2つの個性で競り合い、ともに成長したライバル関係が不況の中で消えていく。

デパート業界は統合再編の波に洗われている。「一体経営のほうが、お客さんにも街にとってもいい」と心斎大丸側のコメントにあった。が、身近なライバルはいた方が、地域にとっても消費者にとってもいいだろう。

ライバル同士でも力の差がある。だが、ナンバーワンには、好適手がいること自体に意味があり成長の力となる。

ナンバー2の頑張りが今ほど求められている時はない。



拍手

2009-03-03 08:21:20 | Weblog
落語家に端正な芸風の円生と、自由気ままな志ん生。酒好きの志ん生には、高座で酔いが回り、そのまま寝込んだ、という逸話もある。

弟子が起こそうとすると、観客から「寝かせておいてやれ」。居眠り姿だけで、ファンを満足させた名人である。

「拍手はくせもの」と言った落語家がいた。一席終えると拍手がくる。熱演なら盛大に、つまらぬ高座ならパラパラと。

が、芸の世界は、それだけではない。下手なはなしでも、時に大きな拍手がくる。「やっと終わったか。早く引っ込め」。

目の肥えた客は、トゲのある振る舞いもする。下手な落語も、退屈なスピーチも、時に盛大な拍手をよぶ。

政治が一つの節目を迎えた。客席から似たような拍手も聞こえてくる。

WBC

2009-03-01 06:22:01 | Weblog
今年は国同士が王座を争う野球WBCが開かれるとあって、スター選手が集うが合宿は連日4万人のファンを集めた。

松坂が力投し、イチローが華麗な技を披露する。絵になる場面がいくつもある。集まったファンを楽しませるために、選手も「サービス精神」を発揮する。

野球人気ばん回の期待が高まる、人に見られて、やる気を出すのは素人、人の見ていない所でやるのが本物のプロ、という話がある。

あの長嶋茂雄さんも、キャンプでは通り一遍の練習が多かったとか。それでシーズンに入ると胸のすく活躍を続けた。

天才、超人と呼ばれた名選手のタネ明かしは、人の見ていない所での練習を絶対に入れない画家がいると言う。

生やさしい仕事ではない。思うように描けず7転8倒する。髪をかきむしる、大声を上げ、物を投げつける。

「そんなみっともない姿を見せられのか」見せ所を心得ているのが一流のプロなら、大勢が見ている所で、みっともない姿をさらけ出す騒ぎは、何なのだろう。

せめて野球で、プロの真髄をみてみたい。