デジカメぶらりぶらり

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2011-09-23 06:44:23 | Weblog
江戸時代に橋の番付があったそうだ。東の小結に「越中舟橋」。平幕に犀川、浅野川の橋があるそうな。

橋の長さを単純に競い合う。どこか子どもじみたような「番付」だが、大金と技術、知恵がなければ長い橋はできない。橋自慢は、川の恵みが暮らしに息づいていたことを物語る。

恵みをもたらす自然が、時に恐ろしい牙に変わる。先の大津波で嫌というほどそのことを思い知った。その傷口がまだ激しく痛むのに、台風の相次ぐ来襲で川の濁流が襲い掛かる。

情け容赦のない天の仕打ちである。「越中舟橋」は神通川にあった舟をつないだ橋と辞典にある。両岸に柱を建て長い鎖を渡して舟を次々とつないで並べた。水かさが増しても、舟の橋は浮き上がる。橋桁がないから、橋は崩れない。

橋が流れをせき止めるほどの水量になったら、やむなく鎖を切って周辺の浸水を防いだ。海峡をまたぐ橋まで造ってしまう現代の技術からすれば、粗末な橋である。

が、舟橋を工夫した人たちに比べ、現代の私たちは自然の怖さをどこまで知っているのだろうか。同じ問いをまた繰り返す。