営業の男性が預かってきた仏像修理。
仕上がって、納品に行く段になって、
「ところで、これ、何のホトケサマ?」と
いうことに。
担当者の話では
「手が6本あって、台座に『見ざる、言わざる、聞かざる』の
三猿がいる・・・・」
「へ?猿?」
ぜひ写真を、と思ったのですが
残念ながら現物は既に厳重梱包済み。
幸い、下のページにそれらしき写真がありました。
http://mall.commercecity.or.jp/Mall/categoryshop/kurita/contents/static/syoumenkongou.jpg
「青面金剛」一般に「庚申さま」といわれているものでした。
これは中国の道教の影響をうけており、
人間の体の中には三尸という虫が棲んでおり、
これが庚申の日に天に昇って人間の悪行を報告する。
悪行を報告されると天罰があたって、疫病が流行したり
するから、この日は一晩中、寝ずの番をして
三尸を見張るというのである。
仏教では青面金剛は帝釈天の使者とされ
病魔を払い除くということから、庚申信仰と
混交して祀られるようになった。
また、日本では「申」の日にあたることから
猿田彦神や三猿が祭神として祀られるようになった
(瓜生 中著「仏像がよくわかる本」 PHP文庫より抜粋)
というものでした。
修理の仏像をお預かりしたお客様のお宅は
ひょっとしたら、かつての「庚申講」の
リーダー格だったのかも。
一般には木像ではなく石像が多いようですね。
そういえば、田舎道で「庚申塔」を
見かけたこともありました。