先日、
「法名の最後に「信士」「居士」などとついていますが、
何だか差別的な気がするのですが詳しいことを教えてくれませんか?」
というコメントをいただきました。
本当はお寺さまに訊いていただくのがベストなのですが
ちょっと気が引ける・・とのことなので、ごく一般的なところで大雑把にご説明します。
例えば、春光院海徳明栄居士 という戒名があったとします。
あくまでも、フィクションです。
この「春光」の部分が「院号」、「海徳」が「道号」、「明栄」が「戒名」
「居士」が「位号」となります。
今、モンダイにされているのは「位号」の部分ですね。
「位号」=「位階」と解釈されることも多いようですが(だから誤解を招くのかな?)
「仏教に帰依した度合い」と解釈されることもあります。
そして、位号に関してはこういう考え方もあります。
居士(女性なら大姉):篤く仏教を信仰し、どちらかというと年齢的に老成し
社会的に熟している人に用いる。
信士(信女):仏教信仰をもった人、の意味。
仏教に親しみ、仏教に帰依しているという意味でつけます。
この他、清士・清女、善士・善女 などや
子供の場合は年齢別に 童子、孩子、嬰子、水子 なども使われます。
(大法輪閣『仏教べんり事典』より)
お坊さんにも位があるのと同じで、
「差別的」というよりも「仏教に親しんだ年月や深さを表す記号」
くらいに思ってもいいんじゃないでしょうか?
作家で僧侶の玄侑宗久氏は戒名のことを
「その人の人生につけるタイトル」とおっしゃってました。(うまい!!)
人生のタイトルならば、仏教に親しんだ年月がうかがえる文字が
あっても不思議ではないのではないでしょうか?
戒名の他の部分の詳しい話はいずれまた・・・。