仏壇販売人、ぶつぶつ日記

山口県の隅っこから
仏壇販売人のたわ言、繰言、独り言。
ほぼワタクシごと、たまにお仕事。

墨蹟の楽しみ

2007-10-02 13:49:57 | 商品のこと

当店では掛軸(床軸)も扱っています。

「南無阿弥陀仏」とか「南無釈迦無尼佛」とか所謂名号というものです。

仏事の時に床の間にかけます。

当店で取り扱っているのは1万円以下の印刷ものから

10万円前後の若い書家、それよりも高くなるベテランの書家

それに、各地の僧侶の手による「墨蹟」など様々です。

 

そして、掛軸をお求めになるお客様はあれこれ吟味して「この一点」というものを

選ばれるわけです。

でも、選択の基準は様々。「字が好き」というのはまぁ一番の基準ですが、

「価格」はもちろん、「表装」とか「うちの床の間の壁の色に合いそうだから」

などという理由もあります。

 

さて、写真の掛軸。

立派なものなので「秘蔵っ子」として

しまいこまれていたこの掛軸。

浄土宗の本山、「知恩院」の中の「先求庵」というところのご住職、

奥瑞譽 師の手によるものです。

ごらんの通り、堂々たる書です。

これだけでも、浄土宗のお客様に喜ばれる、とおもうのですが

さらにすごいのがこの表装。

本金糸を使用した、中回し部分にはなんと

ほら、「月影杏葉」「三つ葉葵」

浄土宗の宗紋が!!!

一般に「六字名号」の掛軸は浄土宗とともに浄土真宗本願寺派でも

使用されるので、六字名号であればどちらの宗派の方が購入されても

大丈夫、というものが多いのですが、

この軸は浄土宗オンリー。

熱心な門徒さんにはたまらない逸品です。