黒塗に鶴と松の絵柄。朱色の房。
玉手箱?いいえ、お線香です。
実はこれ、慶事専用のお線香。
内側はしっかり朱色でおめでたさもひとしお。
お嫁に行くとき、家族や親族への挨拶の品を持っていく習慣(婚家土産というらしい)
がありますが、
その中のご先祖様への挨拶の品が、この線香、というわけです。
表書きは「(左肩に)ご先祖様 (中央)御香 (下)○○子」という
パターンが多いようです。
柳井近辺では「御香」を省略して「ご先祖様」を中央に書くことが多いですね。
持って行く時期としては「荷物送りと一緒に」とか「新婚旅行から帰って」とか
いろいろに言われています。
また、お線香は相手方のご先祖様への礼として結納の品と一緒に渡す
こともあるようです。
ご先祖にまで気を配る、なかなか奥ゆかしい習慣です。
いずれにしても地方によっても違いがあるのでその点はご注意を。