こころとからだがかたちんば

YMOエイジに愛を込めて。

Depeche Mode 「101」 '89

2007-11-02 22:26:50 | 音楽帳


実は、全曲通して、このライブ盤「101」を聴くのは、今回が初めてでした。
アントン・コービン撮影の素晴らしいアルバムジャケット。

しかし、聴きとおして感じたのは、
一言、
「素晴らしい!カンペキなアルバムだ。」
ということでした。

ライブというのは、自分は、根本的に好きではありません。
というのも、結局は、生活をかけた「ドサ回り」の印象で、アルバムを聴く感動を超える、「生(ナマ)」独自の素晴らしさを伝えられるミュージシャンというのが、一握りもいないからです。

アルバムのフレーズをいかにして「なぞらえるか」であって、ほとんどが「へたくそ」で「出来の悪いコピー」でしか無いのですから・・・。

そんな中にあって、こんなにカンペキなライブアルバムというのを、自分は、余り聴いたことが無いです。
洋楽でいくと、1980年のトーキング・ヘッズの「リメイン・イン・ライト」のライブツアー、それに、ピーター・ゲイブリエルぐらいしか思い浮かびません。

***

全20曲。
次から次へと、80年代に産み出された名曲の嵐と洪水。

聴いていると、その楽曲の素晴らしさと【大嫌いな「ロック」にはない】繊細さが、自分のカラダに染み込んできて、トランス状態に入っていくような宗教的な感覚を覚えます。

1981年からDepecheModeと付き合ってきた自分には、(その中から選ばれたほんの一部の曲だが)それら80年代の名曲の数々が、ここには、1枚のアルバムとして集結されています。

自分は、1990年の「ヴァイオレーター」が出た際のライブを、FMで聴いて、録音しました。
そのDepecheModeのライブの持つ空気を作り出す存在感というのはすごくて、たいていのライブは、「しょせん記録としてのライブ」として、テープなどに「ナマで演奏したときの」記録録音でしかないものだが、彼らのライブの録音は、アルバムとは別にして、完成度が高く、純粋に楽しめる異質なものでした。

ろくにライブになると歌えない下手なヴォーカルが多い中、DepecheModeには、「聴けば聴くほど吸い込まれる、スルメ音楽」=DepecheModeの1つの核であるデイヴ・ガーンという名ヴォーカリストがいるのであります。

聴けば聴くほど、「良い声」「良い響き」「良いコトバの言い回し」なのです。

***

自分は、やはり、この「101」ライブを聴いて、DepecheModeは、これに続く「ヴァイオレーター」までが、1つの区切りであったと思います。

この後、「僕だけのデペちゃん」だった彼らが、余りにも素晴らしいことで、知れ渡ってしまい、全英&全米チャートでNo1にまでイってしまいます。

個人的には、「やめてよ!僕だけのデペちゃんなんだから~!」と叫んだのですが、その声は狂喜する群集にかき消され、かたちんばは巻き込まれて、踏み潰されてしまい・・・・
自分はもう歩けず、倒れたカラダで、眼を上げると、彼らは群集にもみくちゃに巻き込まれながら、遠くに既にイってしまいました。
祭りの舞台に上げられてしまった彼らは、間違って「ソングス・オブ・フェイス&デヴォ-ション」などという、ついに「ロック」に踏み込むアルバムへと出て行ってしまった。
そして、彼らは、きたない群衆に囲まれ、そのカオスの中で、自殺やらヘロインやらを犯し、分裂の危機に堕ちていきました。

***

この「101」は、まだ、その前夜の、アブラの乗り切った時期のもので、この堂々とした存在感はすごいでやんす。
発売から、18年後、「通し」で聴いて、感動しています。

***

ディスク:1
1. Pimpf
2. Behind The Wheel
3. Strangelove
4. Sacred
5. Something To do
6. Blasphemous Rumours
7. Stripped
8. Somebody
9. Things You Said

ディスク:2
1. Black Celebration
2. Shake The Disease
3. Nothing
4. Pleasure, Little Treasure
5. People Are People
6. A Question Of Time
7. Never Let Me Down Again
8. A Question Of Lust
9. Master And Servant
10. Just Can't Get Enough
11. Everything Counts
コメント (4)
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