京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

鹿王院 春季京都非公開文化財特別公開②

2024年05月10日 07時46分00秒 | 日記
 5月5日は、春季京都非公開文化財特別公開で公開されている鹿王院へ。







山門を入ると眩いばかりの青もみじの参道が続きます。
明治23年(1890)再建の客殿の上に掲げられている「覚雄山」の扁額は、開基である足利義満の自筆によるものです。
秋には"紅葉の隠れた名所"としても知られている禅宗寺院です。


庫裡に上がると韋駄天さんが迎えてくれます。
そこから廊下を歩くと鹿王院の本庭が見えて来ます。




嵐山を借景とした平庭式枯山水苔庭です。
舎利殿の東側に広がる庭園で、「鹿王院庭園」の名称で京都市の名勝に指定されています。

樹齢300年を越えるモッコクは古木としてこの庭園に風格を備えています。
庭園が造られたのは、江戸時代中期の1763年(宝暦13年)頃と言われています。

奥に見える建物が舎利殿です。

舎利殿(駄都殿)は、鹿王院の本庭の中心に位置する建物で内陣中央の須弥壇上の大厨子には銅製鍍金の多宝塔内には日本では数少ない「仏牙舎利」を安置されています。
こちらの「仏牙舎利」は足利三代将軍実朝が宋の能仁寺から仏牙舎利(お釈迦さまの歯)を招来したもので鎌倉・円覚寺の舎利殿(国宝)に収められました。



その後、後光厳天皇がその一部を京都に献じさせ、1374年に鹿王院開山である普明国師に下賜されました。
その仏牙舎利が現在、鹿王院舎利殿に安置されています。

中国より日本の博多の港に仏牙舎利が着いた日が10月15日であった事から毎年10月15日を「舎利会」と定め、"開扉供養の日"として、この日のみ公開されています。

現在、日本で貴重な仏牙舎利を安置するお寺は、ここ鹿王院舎利殿と泉涌寺舎利殿の2ヶ所のみです。



購入した佛牙舎利が安置されている塔の天井を飾る"龍図"の絵葉書の写真で、描かれた当時の色彩で復元されたものだそうです。

また、四方に仏法護持の四天王を安置し、天井には龍図が描かれています。







舎利殿の手前にある昭堂は開山堂と仏殿を兼ねた建物で開山の普明国師と開基の足利義満像、また、お釈迦さまと十大弟子像がお祀りされています。





今回の特別公開の目玉は客殿の背後にある茶室「芥室」の公開です。

芥は「とるに足らない」の意で謙遜した言葉です。
室の号は普明国師の別号に由来しています。俳優大河内伝次郎が普明国師550年忌を前にして昭和11年に隠寮として寄進したものを茶室として活用しています。

六帖茶席の炉は亭主が床を背にする大名手前になっています。

茶室の存在は知っていましたが、実際に眼にするのは初めてでした。

渡月橋付近は大変な数の観光客で賑わいますが、嵐電で2駅手前の鹿王院は人も少なく、ゆっくりと拝観する事が出来る"穴場"のひとつです。

次に同じ特別公開されている宝筐院へと向かいます。



堂内及び茶室の写真は鹿王院HPからお借りしました。

次に春には初めて一般公開されている織部寺とも通称されている興聖寺に向かいます。