5月13日は、【菊水楼】世界の貴人が愛した老舗料理旅館、“奈良随一の迎賓館”スペシャルツアーに参加しました。
お造りに添えられている大根の飾りものです。
菊水楼表門は、春日大社一の鳥居に突き当たる三条通に面した南側に建っています。
圓成寺塔頭の門を明治時代に現在地に移築したと伝えられています。本瓦葺の薬医門は伝承が首肯されるような風格をもつ建築で,歴史ある料理旅館の表構えに相応しい格式を添えています。
昨年の9月14日にもリビング社の「歩いて発見!奈良散策」で来ていますが、その時には昼食は同じ敷地内にある「うな菊」でした。
今回は、国指定の登録有形文化財にもなっている"旧本館"を見学出来るとあって参加しました。
10時30分の集合の後、浅村支配人のご案内で登録有形文化財にも指定されている旧本館を見学します。
130年受け継がれた建物と格式が漂います。
興福寺興善院跡に創られた建物は、寺院から譲り受けた豪華な部材や、折上格天井など、
今では再現が難しい建築技術が使われています。
地下で今は社交場として使われているようです。
天井の照明には蓮弁をイメージした意匠が施され、バーカウンターはかっての豪華客船のバーカウンターを転用したものが使われています。
ビリヤード台までが豪華です。
脚には龍が彫られています。
隅に置いてある"鑼"は昔、電話もクロークも無かった時代にお客様の来店を知らせる合図に使われていたそうです。
純和風の菊水楼にもこんなに立派な和婚式場があるのですね。
自然光がたっぷりと入り、天井も高くて開放感いっぱいです。
北側に見える旧本館の屋根瓦が見えます。
皇室をはばかってか?表からは見えない南側に据えられています。
通常非公開の3階にも上げて頂きました。
南側には"奈良ホテル".が遠望出来ます。
以外?ですが、菊水楼の方が10年早く創業されています。
いよいよ食事会場へ。
"菊水楼の生き字引"と呼ばれている松浦菊美料理長の食事の解説を聞きながら菊水楼自慢の会席料理を頂きます。
松浦さんは昭和31年(1956)生まれの岩手県出身の方で、修学旅行で奈良を訪れ、歴史好きな事もあり、すっかり奈良の虜になったそうです。
料理の世界を志し、高校卒業後、岩手県から奈良・菊水楼へ就職。昼は調理師学校に通いながら住み込み修業。老舗料理旅館のおもてなしを現場で学び、四代目料理長に。菊水楼の半世紀を見続けた菊水楼一筋、生き字引料理長。“料理を正直につくる”が信念。だそうです。
どの料理も素材を生かした自然の味、、、
「料理を正直につくる」松浦料理長の信念が貫かれています。
お造りに添えられている大根の飾りものです。
幅20cmくらいの大根と赤大根とをかつらむきにし、2種類を重ねて巻いたものを細く切ったものです。
向かいに座られた方が、その長さを体験されていました。
これだけの技術を持つ料理人も減ってしまっているのが現状です。
ご飯は"海のない"奈良県らしく鱒ごはんです。
駅弁では時々頂く"鱒寿司"ですが、こちらの鱒ごはんも増さず劣らずに非常に美味しいです。
松浦菊美料理長の料理に対する"心意気"が十二分に伝わる会席料理でした。