京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

天龍寺法堂「雲龍図」

2023年06月13日 07時42分00秒 | 日記
、 臨川寺を拝観後、天龍寺法堂を拝観しました。





法堂は禅宗寺院における七堂伽藍のひとつで、住職が法を説く大切な堂宇のひとつです。

しかし、天龍寺は暦応2年(1339)の創建以来、8度の大火に遭っており、直近では明治維新時の「蛤御門の変」で天龍寺を本陣にしていた長州藩と犬猿の仲だった薩摩藩の砲火により伽藍のほとんどを失っています。

現在、境内地にある建物はほぼ全てが明治期以後に再建された建物です。





その中で唯一焼け残ったのが現在の法堂(雲居庵禅堂"選佛場")です。

現在地には明治32年(1899)に法堂兼仏殿として移築されました。

かって法堂の天井には明治期に活躍された鈴木松年画伯の"雲龍図"が描かれていましたが、和紙に描かれていた為に損傷が激しい状態でした。





そこで、天龍寺開山・夢窓疎石650年遠諱(おんき)の記念事業として日本画家・加山又造画伯により新たな「雲龍図」が描かれました。



天井に厚さ3cmの杉板159枚を張り、全面に漆を塗り、さらにその上に白土を塗って下地を造っています。

こうして出来上がった下地に直径9mの二重円相を描き、その中に直接墨で「雲龍図」が描かれいます。

5本の爪を持つ龍図で、龍の顔を見ながら法堂内を移動しても、どの位置からも龍の顔が正面にくる「八方睨みの龍」に描かれいます。

案内をして頂いた小川秋生宗務総長さまによると、龍の左目が円相の中心に描かれている為だそうです。



法堂内は撮影禁止なので掲載の「雲龍図」の写真は天龍寺HPからお借りしました。