琵琶湖疏水船の続編の記事です。


疏水船は第二トンネルへ。
琵琶湖疏水では最も短い124mのトンネルです。
トンネルの出入り口で型が異なっていて大津側は普通の半円型ですが、京都側は上が尖った馬蹄型です。
大津側は井上馨、京都側は西郷従道が揮毫しています。
トンネル内では両側に琵琶湖疏水沿いの地図が壁に投影され、下船した後の蹴上周辺の見所をガイドさんが紹介されていました。
以前には無かった"仕掛け"です。


第三トンネルを抜けると、終着点な蹴上舟溜に到着します。
大津側には松方正義、京都側には三条実美の扁額が上げられています。
その扁額も大津側(東口)には文字を掘り下げた「陰刻」が、京都側(西口)には文字が浮き出る「陽刻」が採用されるなど、随所に田邊朔郎の"こだわり"を感じます。


北側には、後に「京都三大事業」のひとつ琵琶湖第二疏水の出口が見えます。
第二疏水は主に飲料水の取水を目的に造られた為に衛生面に考慮し、ほとんどがトンネルで出来ています。



下船すると西側には「旧御所水道ポンプ室」があります。
防火用水を御所へと送る目的で建設され、明治45年(1912)に竣工しています。
設計は明治の建築界の重鎮・片山東熊で田邊朔郎の義理の兄に当たります。
令和2年(2020)には国の登録有形文化財に登録されています。

近くには主任技師を務めた田邊朔郎の銅像が建っています。

関西電力蹴上発電所に疏水の水を送る2本の送水管です。

蹴上まで送られた疏水の水を鴨東運河方面と"哲学の道"沿いを流れる疏水分線とを分ける施設ですが、今は使われていないのでしょうか?水の流れが無かったです。
いつもは次の目的地の南禅寺天授庵へと向かいますが、下船事に横浜から来られたご婦人に声を掛けられ、南禅寺までご案内しました。





南禅院の鐘楼でしょうか?何度も通っている道にありますが2階に昇ったのは初めてです。




南禅寺境内を通る「水路閣」です。
よくサスペンスドラマの舞台で使われています。



南禅寺法堂です。
現在の建物は明治42年(1909)の再建で、天井には今尾景年画伯による「蟠龍図」が描かれています。
こちらで案内を終えて、天授庵を拝観します。