7/3
先週の火曜日、体調が優れず病院に行く。体質改善の必要有り、と。体脂肪が多い、と。そこで、毎朝、鶴川から新百合ヶ丘まで歩くことにした。45分。FMラジオを聞きながら、黙々と、ただ車道の一本道をずんずんと進む、ときどき山あり、谷あり。体が変わると気持ちも変わる。土曜に初めて今日で四日目、一週間は続けられる?
昼。明大前の香港で焼肉定食(ご飯半分)。電車の中では山登敬之『芝居半分、病気半分』を読みながら。人間は日常において演技者であり、精神的な疾患は演技の失敗である、といった内容のエッセイを東京乾電池に在籍する精神科医が話す。テーマはとても魅力的だし、ところどころ自分の講義でとかで使えそうなネタもある。ただ、タイトルに連発する言葉のように、なんだか「半分」な読後感、残念。その後、上野・国立西洋美術館の『パルマ』展を観る。マニエリスムは好きだな。パルマはどうも東京に対する横浜とか埼玉、あるいは銀座(渋谷、新宿)に対する秋葉原みたいなところのようで、フィレンツェという中心からはずれているということをむしろ積極的な要素としている。そこに、マニエリスムの奇妙で魅力的なセンスが花開いた。ヤンキーというか、オタクというか。うん、だって、パルミジャニーノの『聖カタリナの神秘の結婚』に描かれた頭を付き合わせているような子供たちの瞳は、何だか一様に黒目勝ちで切れ長で、ラファエロよりもハルヒとかなんとかとかの瞳と横並びにした方がいいと思わせるものだったりするのだ。あえてシンメトリーをはずし、平面性をはずし、中心をずらす構図とかなんて、正しいものにのらないのれないヤンキーのテイスト?なんて、テキトーなこと考えると分かった気になったりするものだし。まあ、うん、でも、今回の最大の収穫は、なにより、「マニエリスムにおけるおまたの開き加減」でしょう。えっと、キリスト・ベイビーとか、クピドたちとか、女性像とか不用意にまたを開いているんですよ、もちろん全てではないにしても「特徴的」とは言えるくらいに。それは、ベタに言えば、ミケランジェロ以降に加速する「運動」表現の一展開だとみなすべきで、不安定なポーズはそれによって次の動作を予感させる「運動」の表現になっている、わけです(その端的な例は「ねじれ」なわけです。ここに展示してあるどの絵の中でも大抵、人物像は首捻ったり胴体捻ったりしてますよね。それ)。あるいは、構図(ポーズ)の柔軟化という言い方をしてもいいかも知れないけれど、ともかく、ユルユルなマニエリスムのそのユルユル性のもっとも端的なポイントをみつけてしまった、という気がしましたね(ゲット!とAに言ったら「あっそれ誰かが言ってたよ」とのこと、、、涙)。これからみるひとは、是非、そこんとこよろしく。
そこから、神楽坂の山本現代へ。小谷元彦『New Born』を見る。すばらしい。美しいものは、残酷で冷酷で繊細でシンプル。最近見せて貰っている多摩美の学生の作品は、やっぱ、これに比べると生半可だな、と思わされる。身を削って出てきたみたいな「すごみ」が学生のにはないがここには、小谷のものにはある。これは、年齢の問題ではない。
さらに、四時、新宿で雑誌の打ち合わせ。もう多分言っていいと思うのだけれど、『10+1』という雑誌で、一年(季刊なので計四回)連載の仕事を頂いた。初の連載、率直に嬉しい(それにしても、ぼくは他の分野の方たちに支えられて生きるのですな、これまでもこれからも)。編集の方とオープン・ソースとかゲームとか、スコアの活用とか、『らき☆すた』とかの話で盛り上がる。ダンス縛りで、でもかなりクロスジャンルな縦横無尽に最近見ているものについて書く、しかも、本質的なことを掘り下げる、連載になるはずです。力入れて書きますよ!うん。
さらに、さらに六時、Aと高円寺で合流し『日本ロックフェスティバル』を見る。場所は、無力無善寺。いろいろと聞いていたが、今回初めてここに行った。何組かの演奏を聞きながら、ケージのサイレンスがひらいたことと、ヘタの問題についてずっと考えていた。ノイズを肯定しても、ヘタまで許容しなくないなー、と。ウマけりゃいいって問題じゃないとして。そのあたりでいえば、おそらく、芸術を批判しオルタナティヴとして日常(生、生活)を肯定しようとするケージの生活はそれ自体でエクセレントだとする考え方に対して、その無邪気さを批判して、日常の中に潜む力関係こそ問題にするべきとしたイヴォンヌ・レイナー(60年代アメリカのダンサー、振付家、ジャドソン・ダンス・シアターのメンバー)のこととかを考えに入れなきゃいけないのだろう。帰りに、翌日から始まるChim↑Pom『オーマイゴッド』展の様子を見て(メンバーが黙々と作業していたので、なかは見られず)、その後、だちびんへ。久しぶりに食べただちびんのゴーヤ・チャンプルーは、「別にい」な味になっていた(ショック)。
7/4
霧雨の中を今日も早朝ウォーキン。気持ちいい。
先週の火曜日、体調が優れず病院に行く。体質改善の必要有り、と。体脂肪が多い、と。そこで、毎朝、鶴川から新百合ヶ丘まで歩くことにした。45分。FMラジオを聞きながら、黙々と、ただ車道の一本道をずんずんと進む、ときどき山あり、谷あり。体が変わると気持ちも変わる。土曜に初めて今日で四日目、一週間は続けられる?
昼。明大前の香港で焼肉定食(ご飯半分)。電車の中では山登敬之『芝居半分、病気半分』を読みながら。人間は日常において演技者であり、精神的な疾患は演技の失敗である、といった内容のエッセイを東京乾電池に在籍する精神科医が話す。テーマはとても魅力的だし、ところどころ自分の講義でとかで使えそうなネタもある。ただ、タイトルに連発する言葉のように、なんだか「半分」な読後感、残念。その後、上野・国立西洋美術館の『パルマ』展を観る。マニエリスムは好きだな。パルマはどうも東京に対する横浜とか埼玉、あるいは銀座(渋谷、新宿)に対する秋葉原みたいなところのようで、フィレンツェという中心からはずれているということをむしろ積極的な要素としている。そこに、マニエリスムの奇妙で魅力的なセンスが花開いた。ヤンキーというか、オタクというか。うん、だって、パルミジャニーノの『聖カタリナの神秘の結婚』に描かれた頭を付き合わせているような子供たちの瞳は、何だか一様に黒目勝ちで切れ長で、ラファエロよりもハルヒとかなんとかとかの瞳と横並びにした方がいいと思わせるものだったりするのだ。あえてシンメトリーをはずし、平面性をはずし、中心をずらす構図とかなんて、正しいものにのらないのれないヤンキーのテイスト?なんて、テキトーなこと考えると分かった気になったりするものだし。まあ、うん、でも、今回の最大の収穫は、なにより、「マニエリスムにおけるおまたの開き加減」でしょう。えっと、キリスト・ベイビーとか、クピドたちとか、女性像とか不用意にまたを開いているんですよ、もちろん全てではないにしても「特徴的」とは言えるくらいに。それは、ベタに言えば、ミケランジェロ以降に加速する「運動」表現の一展開だとみなすべきで、不安定なポーズはそれによって次の動作を予感させる「運動」の表現になっている、わけです(その端的な例は「ねじれ」なわけです。ここに展示してあるどの絵の中でも大抵、人物像は首捻ったり胴体捻ったりしてますよね。それ)。あるいは、構図(ポーズ)の柔軟化という言い方をしてもいいかも知れないけれど、ともかく、ユルユルなマニエリスムのそのユルユル性のもっとも端的なポイントをみつけてしまった、という気がしましたね(ゲット!とAに言ったら「あっそれ誰かが言ってたよ」とのこと、、、涙)。これからみるひとは、是非、そこんとこよろしく。
そこから、神楽坂の山本現代へ。小谷元彦『New Born』を見る。すばらしい。美しいものは、残酷で冷酷で繊細でシンプル。最近見せて貰っている多摩美の学生の作品は、やっぱ、これに比べると生半可だな、と思わされる。身を削って出てきたみたいな「すごみ」が学生のにはないがここには、小谷のものにはある。これは、年齢の問題ではない。
さらに、四時、新宿で雑誌の打ち合わせ。もう多分言っていいと思うのだけれど、『10+1』という雑誌で、一年(季刊なので計四回)連載の仕事を頂いた。初の連載、率直に嬉しい(それにしても、ぼくは他の分野の方たちに支えられて生きるのですな、これまでもこれからも)。編集の方とオープン・ソースとかゲームとか、スコアの活用とか、『らき☆すた』とかの話で盛り上がる。ダンス縛りで、でもかなりクロスジャンルな縦横無尽に最近見ているものについて書く、しかも、本質的なことを掘り下げる、連載になるはずです。力入れて書きますよ!うん。
さらに、さらに六時、Aと高円寺で合流し『日本ロックフェスティバル』を見る。場所は、無力無善寺。いろいろと聞いていたが、今回初めてここに行った。何組かの演奏を聞きながら、ケージのサイレンスがひらいたことと、ヘタの問題についてずっと考えていた。ノイズを肯定しても、ヘタまで許容しなくないなー、と。ウマけりゃいいって問題じゃないとして。そのあたりでいえば、おそらく、芸術を批判しオルタナティヴとして日常(生、生活)を肯定しようとするケージの生活はそれ自体でエクセレントだとする考え方に対して、その無邪気さを批判して、日常の中に潜む力関係こそ問題にするべきとしたイヴォンヌ・レイナー(60年代アメリカのダンサー、振付家、ジャドソン・ダンス・シアターのメンバー)のこととかを考えに入れなきゃいけないのだろう。帰りに、翌日から始まるChim↑Pom『オーマイゴッド』展の様子を見て(メンバーが黙々と作業していたので、なかは見られず)、その後、だちびんへ。久しぶりに食べただちびんのゴーヤ・チャンプルーは、「別にい」な味になっていた(ショック)。
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霧雨の中を今日も早朝ウォーキン。気持ちいい。