Blog: Sato Site on the Web Side

「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

雑記

2006年12月04日 | Weblog
最近、STスポットに足を運んだ方は、チラシを見て下さっているかも知れません。いまぼくは来年の初め横浜(@急な坂スタジオ)を会場にダンスのレクチャー(仮タイトル「超詳解20世紀ダンス入門」)を企画していてその準備に追われています。忙しーっ(でも、楽しーっ)!みなさん、これはとても楽しい面白い、ためになる時間になりそうですぞ。運動をつぶさに見るためのレッスン、ダンス史の隠れたアイディアの芽を発見するアドベンチャーです。実証的(ビデオやフィルムや写真や実演やインタビューなどなど)で地に足付けた議論をわいわいしようと考えてます。ダンスの作り手も見る専門の人も老いも若きもこぞって見に聞きに来て下さい。詳細は、また後日。

ところで、おとといと昨日と、舞踊学会の全国大会(@専修大学神田校舎)に行く。70才だったか日本のポストモダンダンスを牽引した厚木凡人さんを迎えたシンポジウムなどがあった。ひょうひょうと舞踊研究者を前にとぼけすかしまくる厚木さんのエンタメ精神と批評精神とシャイネスに涙流しながら笑う。土方巽が活躍していた同年代のダンサーがもつ、形容しがたい器というかフットワークというのはすごいな。

ところで、きわめて恥ずかしい気持ちになることなのですが、今の自分のことを備忘録的にここに書き留めておきたいので書いちゃいますが、最近、ぼくはCKBか菊地成孔しかきいてません、日本の音楽は。とりわけ菊地の「De Degustation a Jazz」しか聞いてない。なんかもう恥ずかしいのですが、彼のブログも読んでしまいます(ぼくが毎日チェックするブログは五件くらいしかない、そのなかのもう一つはなぜか宮沢章夫「富士日記2」)。読んでいると、菊地の住んでいる歌舞伎町というか大久保の辺りの情景が浮かんできて、ぼくが大好きなカムジャタンの店「松屋」のことを思い出させ、行った気食べた気にさせてくれるからか、それとも、彼の文体がなにやら中毒的な何かをぼくに与えるのか、分かりませんが。けれど先に挙げたCDが良い理由は分かります。彼のサックスの音や唄は「ほら」っぽいのです。あるいは、てれくさそーに本心を言うというか。「コブクロ」みたいな(コブクロ!)ストレートに語りかける類の姿勢じゃなくて、音が「なんてね、なんてね」というつぶやきと共に聞こえてくる。これが、いいんですね。「乖離」がすけて見える。「Isfahan」の冒頭のサックスの音なんて、「おしっこもれちゃった!」みたいな「ブワッ」ってふくらみがあって、よくて、もれたふりなんだろうけど、ふりでもしなきゃ言えないことというか隠していられないことでもあるのかよって感じで「ブワッ」って音が漏れ出す。