先日、
第99回新語・語法研究分科会の新語・語法フォーラムで司会を務めますの記事でも予告したとおり、9月10日(土)に東京都の中央区立明石町区民館で開催された日本メディア英語学会の第99回新語・語法研究分科会の「新語・語法フォーラム」で司会を務めました。
この「新語・語法フォーラム」というのは、会員がそれぞれ見つけた新語やその使い方などを報告する場です。
今回は、7名の会員が報告をし、その司会を務めるとともに、自分自身も次のような新語を報告しました。
英語に興味がない方もしばらくお付き合いください。(途中の英文は必ずしも読まなくてもいいです。それぞれの語の出典を示しているだけですから。)
1.webinar (ウェビナー、ウェブ上セミナー)
You are cordially invited to participate in the latest educational webinar, brought to you by Sister Cities International, next Thursday, December 9, 2010 at 2:00pm(EST). Email message from Sister Cities International to its members, December 7, 2010.
これは、ウェブ(web)上のセミナー(seminar)という意味の造語です。
ここで、紹介された国際姉妹都市協会(Sister Cities International)のウェビナーを受講しましたが(
国際姉妹都市協会のウェビナーに参加参照)、日本にいながら(さらに自室にいながら)アメリカでのこのようなセミナーに参加できるのはとてもありがたいことです。
2.Oprahness (オプラらしさ、オプラ性)
In a final act of Oprahness, it seems as though Oprah was her own last guest, according to audience members interviewed by the Chicago Tribune after the finale's taping Tuesday. Dan Zak, “The end of ‘Oprah,’ but the empire remains,
The Daily Yomiuri (
The Washington Post), May 27, 2011. p.14
これについては、以前に書いたブログ記事
『オプラ・ウィンフリー・ショー』終わるを読んでくださるといいのですが、この番組の司会者だったオプラ・ウィンフリー(Oprah Winfrey)が社会に対してあまりに大きな影響を与える人物であるため、Oprahの名詞形Oprahnessという言葉ができているのです。
これについては、駒沢女子大学の元教授の須永紫乃生先生より"O effect"(O効果)という語もあることを教えていただきました。
John Steinbeckの
East of Eden(『エデンの東』)がこの番組で取り上げられ、再びベストセラーになったのもO effectの一つであると言えます。
さらに、アメリカでは
O (『O』)という名前の雑誌も発行されています。
3.halfalogue (半分聞こえる会話、公共の場での携帯電話迷惑会話)
After studying the issue, she’s concluded that when we hear half of a conversation, or a “halfalogue” – such as when someone is talking on a cellphone—“our brains are always predicting what’s going to happen next, based on our current state of knowledge…When something is unexpected, it draws our attention in, our brains tune in to it.” Joe Palca and Flora Lichtman, “Cancer-causing? Or just irritating?”
The Washington Post (
The Daily Yomiuri) June 8, 2011. p.15.
皆さん、電車やバスなどの公共の場で、携帯電話で通話している人の会話が耳に入ってくる経験をしたことがありませんが。そのような経験をお持ちの方は多いでしょう。そして、相手の話が聞こえない分、あの人は一体どんな会話をしているのだろうかと気になってしまいませんか?
そのように、半分しか聞こえてこない携帯電話の会話をhalfalogueというのです。これは、half(半分)とdialogue(会話)が組み合わさって作られた造語です。
これについては、以前、日本時事英語学会(日本メディア英語学会)の時事英語ネットに投稿しました。
そして、そのことがきっかけで、小学館のウェブサイト内にある桐蔭横浜大学客員教授の石山宏一先生の
石山宏一の新語ウォッチング第75回でも取り上げていただきました。
4.e-cigs, electronic cigarettes, e-cigarettes, vaping (電子タバコ、喫霧)
Electronic cigarettes don’t burn and don’t give off smoke. But they’re at the center of a social and legal debate over whether it’s OK to “light up” in places where regular smokes are banned. Despite big differences between cigarettes and their electronic cousins, several states, workplaces and localities across the United States have explicitly included e-cigs in smoking bans.
E-cigarettes are battery-powered plastic and metal devices that heat a liquid nicotine solution in a disposable cartridge, creating vapor that users inhale. Users call the practice “vaping” rather than smoking. Some e-cigarettes are made to look like a real cigarettes with a tiny light on the tip that glows like the real thing. Michael Felberbaum, “Should smoking bans cover e-cigs?”
The Daily Yomiuri, June 28, 2011. p.11
最近は、愛煙家は肩身が狭い世の中になっていますが、electronic cigarettesなるものが出ているようです。
それは、e-cigarettesやさらにe-cigsと略されるようです。
このタバコの仕組みは、上記英文2段落目にあるように、液体のニコチンを熱して蒸発させ、その蒸気を吸うようになっているようです。
普通のタバコを吸うのはsmoking(喫煙)といいますが、この電子タバコを吸う行為は、vapingと呼ばれるようです。煙ではなくて霧のような蒸気を吸うので、「喫霧」と訳せるだろうかと思っています。
そして、この電子タバコを吸うという行為 vapingが禁煙の対象になるのかどうかというのが各地で議論になっているそうです。
日本でも同様の議論が起こってくるかもしれませんね。
5.staycation (近場でのバケーション)
holohoro STAYCATION IN HAWAII
Soak Up The Sun
When it’s time to get away, kamaaina know where to go for the hottest activities on Oahu, Maui, Kauai and the Big Island.
Honolulu Star Advivertiser, 2011. p.1.
これについては、既に以前の新語・語法フォーラムでも取り上げられたことがあるようでしたが、8月にハワイに行った際、ハワイの新聞
Honolulu Star Advertiserで見かけたものです。夏休みで多くの観光客がハワイにやってくるけど、ハワイの人は、海外の観光客には知られていない島内の知られざる穴場(でも、それを新聞で紹介したら、みんなに知られてしまいますけどね)で夏休みを過ごしましょうというような内容でした。
ちなみに、ハワイ(オワフ島)では、8月28日に新たなディズニーリゾート(テーマパークではない)Aulaniというものがオープンして話題になっています。これで、ますます観光客が増えるだろうと予想されます。
6.Samosapedia (サモサペディア)
“Samosapedia explores South Asian English quirks”
Honolulu Star Advertiser, August 21, 2011. p.A21. http://samosapedia.com/
同じく、ハワイで読んだ
Honolulu Star Advertiser紙の記事で紹介されていたものですが、南アジアの独特の英語を紹介したウェブサイトがこのSamosapediaというものだそうです。
面白そうだったので、ちょっとのぞいてみました。
そこに紹介されていたのが、次の語です。
7.headbath (頭浴)
September 05, 2011, Word of the Day
The daily act of washing your hair. If youre part of a Mallu household, please put kawkanut oil before performing this sacred act? God will bless you with smiling relatives & meen molly till the day you die. And by dhi bye. Summerwinterorspring, it can be had ONLY with cold water. No shamboo. Hot water pouring on head, shamboo, tarrki towel...all that is for North Indians. (from Samosapedia)
これは、洗髪とは違うようですので、仮に「頭浴」と言う訳語を当ててみました。
この習慣についてはよく分かりませんので、また調べてみたいと思いますが、Samosapediaには、このようないろいろな表現が紹介されていました。
というように、新聞や雑誌で新しい言葉を見つけるのは結構面白いことです。これからも、このフォーラムに参加して、自分自身も報告したいと思いますし、他の会員の報告も聞き、勉強したいと思います
。