僕は、以前の記事にも書きましたが、映画英語教育学会にも所属しています。
映画(やドラマ)を見ることによって、英語の勉強をしてきましたし、教材としても時々使用しています。
でも、僕が住む新見市内には映画館がないこと、忙しいことなどから、なかなか映画を通してみることができなくなっています。
DVDやビデオや録画したものを細切れで見ることはありますが、なかなか1本通してみるという本来の映画の見方ができなくなっています。
ちょうど、先日、市内のレンタルビデオ店の会員カードの期限が迫り、更新時期だったため、この映画をレンタルしてきました。
以前この映画を見た妻から、その中のセリフに、ある文豪が自分が作品を書き終えた時に駄作しかかけなかったと編集者に言ったそうだが、それが
The Grapes of Wrath(『怒りのぶどう』)を書いた時のJohn Steinbeck(ジョン・スタインベック)だったと言うようなセリフが出て来ると教えてもらったから、John Steinbeck研究者の僕もこれを見てみることにしました。
これからこの映画を見ようという人もこれを読んでくれているかもしれませんのでストーリーの詳細は書きませんが、Meryl Streep(メリル・ストリープ)演じる母親が病に犯され亡くなり、それをめぐる家族と友人達の話です。
夫が大学教授ということもあり、親近感を持ってみることができました。
また、映画の展開の中に、誕生日、ハロウィーン、感謝祭、クリスマス
のシーンが現われ、アメリカの文化を紹介するのにも適した映画です。
そして、病気、病院
、看護、介護などのシーンもあり、僕の教える看護学生、福祉学生にも見てもらいたい映画でした。
映画の中のシーンに次のような印象的なセリフが出てきます。
It's so much easier to be happy, my love.
It's so much easier to choose to love the things that you have.
And you have so much.
(幸せになるのは簡単よ ウソじゃないわ
今あるものを愛するの
手の中にあるものを)
この映画には、生きる苦悩や精一杯生きることが描かれています。
クリスマスのシーンに出てくる“Silent Night”(「きよしこの夜」)の歌詞の中の“Sleep in Heavenly Peace”とこの映画の日本語タイトル「母の眠り」がとてもよくマッチしていました。
原題“One True Thing”は「一つの真実」ほどの意味ですから、この邦題は「意訳」です。
訳者(または、この映画の日本におけるプロモーション担当者)は、母親の「死」を「眠り」と表現し、それにこの歌のシーンのイメージを利用して『母の眠り』という邦題としたのでしょう。
この映画の舞台になった町の名は、Langhorneでした。
Langhorneと聞いて思い出すのは、アメリカの偉大な作家で『ハックルベリー・フィンの冒険』『トム・ソーヤの冒険』などを書いたMark Twain(マーク・トウェイン)のことです。
このMark Twainというのは実はペンネームで、彼の本名はSamuel Langhorne Clemensだったのです。
映画というのは、いろんな意味で勉強になるとてもよい教材です。
是非、いろいろ考えながらメモを取りながら集中して見てみましょう。