認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

有識者会議の提言に基づく新大綱が掲げる認知症予防施策の問題点と具体的な方策の提起ーそのⅠ(D-05)

2019-07-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

             もてあまし することも無い 今の時

     身体も脳も 今日も居眠り

&1政府が、認知症対策強化の為の『大綱』を決定

これまで世界中の専門家達から、原因不明で治らない、予防も出来ないとされてきた『アルツハイマー型認知症』の発病原因について、スエーデンのカロリンスカ研究所が、『「生活習慣」が危険因子と考えられる』と発表してから、流れが大きく変わったんです!!※政府は、6月18日に開催した関係閣僚会議で、認知症の人アルツハイマー型認知症の発病者のことであることに注意。以下、同じ)が暮らしやすい社会の実現を目指す従来の『共生』に加えて、発病や症状の重症化の進行を遅らせる『予防』に重点を置く政策の採用を決定したのです。但し、『治療(早期診断と早期治療)』は、対策項目に入っていないことに注意が必要です。更には、対策項目としての『予防』というのは、「認知症になるのを遅らせること及び症状の重症化が進行するのを緩やかにすること」を言うとの注釈がつけられていることにも注意が必要です。それらの目標を達成する具体的な手段としては、「高齢者」が体操や趣味を楽しむ為の『通いの場』の拡充を重要政策の一つに掲げているのです。その目的とすることは、お年寄りが家に籠って孤独な状態に陥るのを防止し、『認知症の人の意思を尊重し、認知症の人が住み慣れた地域で自分らしく暮らせる社会』の実現にあるのだそうです(「アルツハイマー型認知症」の予防に対する国民の注意を喚起し、生活習慣の改善により発病を「予防」することに因り、認知症を発病して末期の段階にまで症状が進行したお年寄りの「介護費用」を含む「社会保障費」の増加に抑制をかけることも重要な目的とされているのです)。とは言え、『認知症になるのを遅らせる』にも、『症状の重症化が進行するのを緩やかにする』にも、『アルツハイマー型認知症』の発病び症状の重症化が進行するメカニズム(機序)を正しく理解していることが必要不可欠となるはずなのです。

発病及び症状の重症化が進行するメカニズム(機序)自体は知らないけど、大綱が奨励していること(目標テーマ)を自分なりにやっておけばいいのだろうという訳にはいかないのです。『生活習慣が危険因子である』として、「自分なりにどのような『生活習慣』を、どのように構築するか」が重要となるからです。『加齢』に起因した脳の老化の進行という問題が誰の脳にも存在している(正常老化の性質)ので(「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者が、私たちが定義する発病の「第一の要件」なのです)、出来るだけ効果的で、長続きする、自分の生活環境に適した「テーマ」を出来るだけ数多く、頻繁に、且つ、継続して、実践していく必要があるからなのです。もっと重要な問題は、私たちが規定する発病の「第二の要件」の問題があるからなのです。第一の要件を充足するお年寄りが、何等かの出来事の発生や状況の発生とその後の継続を『キッカケ』(類型化のしようがなく、人により何でもありなのです)として、立ち上がり、這い上がっていこうとする『意欲』を喪失してしまい、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』に陥り、その「生活習慣」が継続していると、半年から1年が経過すると、『アルツハイマー型認知症』を発病することになるのです。

※『アルツハイマー型認知症の発病は、「4つの仮説」が想定するような原因、アミロイドベータの沈着やタウタンパクの蓄積や脳の萎縮の進行やアセチルコリンの不足が真の原因ではないのです。「キッカケ」の発生を契機に始まった脳の使い方としての『生活習慣』、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い日々の暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続していることが原因で、前頭葉』の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行すること(前頭葉の機能障害の進行を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で)により、発病及び症状の重症化が進行するのです(市町村での住民参加型の「地域予防活動」の実践により、疫学的に実証済み)。

『認知症の人の意思を尊重し、認知症の人が住み慣れた地域で自分らしく暮らせる』という「共生」の為の設定条件自体が、『アルツハイマー型認知症』について、『脳の機能』と言う視点からいうと、発病者の『脳の機能レベル』と症状の段階を精緻に判定し、厳格に区分した上で、個々の発病者の『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルと機能レベルに見合った『対応可能な支え方の在り方』という考え及び基準の導入が不可欠となることについても、詳しく説明しておく必要があると考えるのです。『自分なりに、何をどのように行うのか』については、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルが、意識や、思考や行為や言動の在り方を決定づける、最も重要な核心的要因だからなのです。

アルツハイマー型認知症は、器質的な原因病変が何等確認されないのに、私達人間だけに特有な意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現することに因り、最初の段階(小ボケの段階)では『社会生活』面で、次いで(中ボケの段階では)『家庭生活』面にも、最後に(末期の段階である大ボケの段階では)『セルフケア』の面でも、様々な程度及び態様に因る『支障が出てくる』(認知症としての症状が発現する)のが特徴なのです。

大綱が掲げる「目標」をどのように考えて、具体的に実行に移せばいいのか、以下に詳細に説明し、問題点を具体的に提示し、且つ、根拠となる科学的で客観的なデータ及び『脳機能データ』をつけて、補足し、説明していきたいと考えるのです。あと数年が経過すれば、私たちの主張が正しく、且つ、指摘が正鵠を得ていたことが判明する時代が来ると確信してもいるのです。専門家とされる人達は、未だに正しい知識や実体験が無いので、私たちの問題提起を、『転ばぬ先の杖』にして頂きたいと切に願うのです。

アルツハイマー型認知症』についての、発病及び症状の重症化が進行するメカニズム、治す為の具体的な方法(早期診断と早期治療)、症状の進行を遅らせる為の具体的な方法(介護の予防)、更には、発病自体を『予防』する方法について、「脳機能データ」を含む科学的で客観的な根拠に基づき、二段階方式の手技の活用による、且つ、累計で450を超える極めて多数の市町村での実践展開により、その考え方が正しいことを疫学的に実証してきていて、実践の方法を具体的にマニュアル化している機関は、日本中と言わず、世界中を探してみても、私たち(『二段階方式』)しか存在していないのです。

内容自体は未だ初歩的なレベルのものに過ぎないとはいえ、スエーデンの「カロリンスカ研究所」やロンドンに拠点を置き活動する「ランセット委員会」等の世界的に著名な研究機関が、『アルツハイマー型認知症』の発病原因について、『生活習慣が危険因子である』との新しい視点からの問題提起をしたことを契機にして、発病原因に関わるコペルニクス的な転回が起きてきつつあるのです。その意味で、「4つの仮説」は、過去の遺物と化してきていると言っても過言ではないのです。詳細は後述するように、私たちは、『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復介護の予防及び発病の予防を目的とした「住民参加型」の『地域予防活動』という形態で、且つ、市町村に対する実践指導(有償の使用許諾契約の締結先のみを対象)という先駆的な活動を指導してきていて、1995年の活動の開始以来首尾一貫して、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であり、早期診断と早期治療により治せるし、治すことが最早困難な末期の段階である大ボケの段階にまで症状が進行することを抑制することに因り介護の予防が可能であり、更には、発病自体の予防が可能である』と主張し続けているのです。市町村の保健師さんが、全面的に実施することが出来るように手技を「マニュアル」化してもいるのです。

 &2 認知症発病者総数についての政府発表数字(90%以上を、アルツハイマー型認知症が占める)と実態との乖離

(1)   発病原因に関する「4つの仮説」は、過去の遺物に過ぎないのです。まず最初に皆さんに知っていただきたいこと、世界中の認知症研究の専門家達が、アルツハイマー型認知症の発病原因、症状が重症化するメカニズム、症状の類型、治療の仕方、予防の方法については、ほとんど無知という状況なのです。世界的に通説の地位にあるアミロイドベータ説を含め、提示されている『4つの仮説』(アミロイドベータ説、タウタンパク室、脳の萎縮説、アセチルコリン説)の全てが、科学的な根拠や客観的なデータさえも提示出来ていなくて、且つ、発病との間の因果関係を未だに実証出来ていない儘のものであり、「憶測の類」でしかないのです。

「アルツハイマー型認知症」の診断の専門医達は、『DSM-4』の第一要件が規定する要件、『「アルツハイマー型認知症」は、記憶障害に起因して発病する』との誤った前提をそのまま受け入れていて、加えて、第二要件が規定する要件、『失語や失認や失行(紛い)の症状が初期症状である』との誤った内容(「極めて重度の症状」であることに気付いてもいない)を金科玉条として敬い、診断する結果として、最早治すことが困難である末期の段階(大ボケの段階)で発病を見つけているのです。その結果として、『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ないタイプの認知症』であると誤解し、誤った情報を発信し続けているのです。『詳細なメカニズムについて後述するように、「アルツハイマー型認知症」こそが、「治すことが出来る」典型的なタイプの認知症である』にも拘らず、今回の大綱が、「治す」こと(早期診断による回復)を『達成目標』の重要なテーマに選んでいないのも、同様の誤解に基づいていると考えられるのです(大綱を策定した有識者達は、発病の原因について言うと、世界的に通説の地位にあるアミロイドベータ説を支持していると想定されるので、「治すことが出来る」など想像も出来ないのでしょう。「アミロイドベータ説」の想定では、「アミロイドベータ」が情報を連絡する神経細胞に沈着して生じた老人斑が持つ毒性が神経細胞の大量死を惹き起こすことで、「記憶障害」が惹起されるという想定の下で、「アルツハイマー型認知症」を発病することになると憶測しているのです。⇒未だにどれ程の権威があり、どれほど多数の学者が支持していようとも、想定している原因と発病との間の因果関係が未だに実証されていない仮説、単なる憶測の類に過ぎないのです。世界中の大規模の製薬会社が、「アミロイドベータ説」の主張の考え方に沿って開発に挑戦した「治療薬」の開発は、悉く失敗に帰しているのが実情なのです。このことが契機となり、「アミロイドベータ説」を掲げて世界を牽引してきたハーバード大学が、『治療から予防へ』と方針を転換したと発表したのです。昨年末になって、発病してしまうと治すことが出来ないので、発病前に、言い換えると、アミロイドベータの蓄積がほんの僅かでも検知された段階で、アミロイドベータを脳内から除去する方法の開発に着手したと発表したのです。

方針の転換はどうでもいいのですが、そもそも、アミロイドベータの蓄積と発病との間には因果関係自体が存在していないので、無意味な転換なのです。

(2) 政府が発表している数値とその問題点

ⅰ)2025年には、認知症(その大半は、「アルツハイマー型認知症」)の発病者数が約700万人になるとの政府予測数値が発表されています。但し、此処で言われている発病者達(ボケ老人)とは、末期の段階の症状が発現しているお年寄り(「大ボケ」の段階の症状が発現しているお年寄り)達だということに注意が必要です。私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄り達の数は含まれていないのです(「脳のリハビリ」の実施により回復させることが可能である小ボケ及び中ボケの段階は、見落とされているのです)。私たちが提示しているのは、(小ボケ、中ボケ及び大ボケ)の全てなのです。発病者総数に、全てが含まれていないのは、間違いなのです。

ⅱ)ところで、「アルツハイマー型認知症」の発病者達(小ボケ、中ボケ及び大ボケの段階の症状が確認されるお年寄りの全て)の年齢別の発病率は、私たちの予測データでは、次の通りとなるのです。

「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階の発病者達、発病者全体の年代別の発病者の割合は、定年退職などで、第二の人生が始まったばかりの60代に12%もの高い割合を示していて:70代に30%、80代に50%、90代に75%、加齢の極まりの100歳代に97%と、年をとるにつれて、どんどん増加していくのです。年をとるほど、ボケている人の割合がどんどん増えていき、命の極まりの100歳代では、ほとんどの人(97%の人)がボケている。 このデータは、或る複数の市町村の全数調査の結果をもとにして予測したものなのです。

ⅲ)『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」の脳の使い方としての「生活習慣」が、発病するか/しないかを決定づける『唯一の要因』である認知症、様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を占めていて、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』が本態である『アルツハイマー型認知症』の発病率は、日本全国どこも殆ど同じであり、基本的に大きな差異はないと私たちは、考えているのです(東日本大震災のような大震災の被災地での被災直後の発病者数は、他の地域と比較し、一時的に、大幅に増加すると私たちは、考えているのです。被災地に居住するお年寄りを対象として、二段階方式の手技を活用して、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを精緻に判定してみれば、容易に判明することなのです「仕事」とは無縁となる「第二の人生」を送っていた「お年寄り」が、被災を「キッカケ」に心が折れてしまい、意欲を喪失して、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続する生活(脳の使い方)に陥っていくことになると、『アルツハイマー型認知症』を発病することになるのです。

ⅳ)「アルツハイマー型認知症」を発病している対象者には、60歳未満の若い人は含まれていなくて、60歳を超える年齢の『高齢者』であり、且つ、『第二の人生』を送っている「お年寄り」に限られていることが特徴(老年発症が特徴)なのです。猶、現職で『仕事』をしている人は(ただし、肩書だけの人は除く)、年をとっても発病しないことに注意(日々の生活面で、「仕事」というテーマがあるので、分析、創意、工夫、洞察、推理、シミュレーション、企画や計画などの機能の出番が多く、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能を中核とした『前頭葉』の出番が多いので、それらの機能についての、「廃用性の機能低下」という問題が起きてこないからなのです)。

)ドラマ化までされた『若年性アルツハイマー型認知症』という認知症は、誤解と誤診に因り創造されただけの病名であり、現実には存在しないのです。側頭葉性健忘症(重度の記銘力障害と海馬の萎縮が確認されるものの、「前頭葉」の機能が正常レベルに在るのが特徴)、或いは、感覚性失語症であるものを、『認知症であると誤解、誤診』しているだけのものなのです。末期の段階の「大ボケ」であり、重度の「記憶障害」の症状が確認されるお年寄りが、自分の日々の生活面に起きてくる様々な問題を他人に語ることが出来る等ということ自体が、起き得ないことなのです。『側頭葉性健忘症』と混同しているのです。その誤診に基づく活動が、オーストラリアに源を置き、イギリスを経由して、日本にも伝播してきているのです。『アルツハイマー型認知症』の発病である場合、『前頭葉』の機能が真っ先に機能低下を進行させていくのが特徴であり、「大ボケ」の段階にまで症状が進行してきている場合の「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能は、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、ほとんど働かなくなってきていることを知らないのです。

 (3)政府の予測値には、(実態)との間に「大きな乖離」が存在

ⅰ)政府が発表している『発病者数』とは、末期の段階の症状が発現しているお年寄り達、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状が発現してきている「お年寄り」の数だけを指して言っていることに注意が必要です。今回の大綱の内容を提言した有識者達を含めて、世界中の認知症研究の専門家達は、米国精神医学会が策定した判定基準である『DSM-4』の規定の重大な誤りに気付かないで、そのまま正しいものとして扱っているからなのです。

ⅱ)世界中の認知症研究の専門家達の殆ど全ての人達が、その内容について微塵も疑うことが無い程、世界的な権威があるとされている『DSM-4』の規定の「第二要件」は、失語や失認や失行と言った症状が「初期症状」であると規定しているのです。私たちの正しい基準に因る実態としては、もっと軽い段階、私たちの区分で言いう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階があるのを見落としているのです(「失語や失認や失行の症状」は、11の「下位項目」から構成されていて30点が満点であるMMSEの「総得点」が一桁の点数になるまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたお年寄りだけに確認される『極めて重度の症状』であることに気づいていないだけなのです)。⇒ 世界中の専門家達が、その規定の内容に従った研究、診断を行うほど、権威は世界的でも、内容は『誤り』なのです。『規定内容自体が重大な誤りである』ことに、専門家とされる人達が未だに気付いていないのです!!)。

 『アルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのです(「食生活」とは関係なくて、脳の使い方としての『生活習慣』が発病するかしないかを区分ける決定的な要因であることに留意!)。

(4) 更なる問題が存在するのです。アルツハイマー型認知症の発病のメカニズムについて専門家とされる人達が無知であること、更には、脳梗塞や脳出血等の既往があり、頻繁な『物忘れ』の症状が確認されると、「脳血管性認知症」と診断する杜撰な診断が横行している結果、その分、「アルツハイマー型認知症」の発病者数が減少するのです。

 脳血管性認知症であると誤診されている(脳血管性認知症と診断されているものの80%相当数)ものをアルツハイマー型認知症の発病者数に入れ替え、更に、発病者でありながら見落とされている早期の段階のお年寄り達(小ボケ及び中ボケの段階の発病者達)の数を組み入れて、「アルツハイマー型認知症」の発病者総数を正しくカウントしなおすと、発病者総数は、厚労省が発表している総数の2倍という天文学的な数になるのです。大ボケの段階のお年寄りは死んでいく数が多いのに、小ボケや中ボケのお年寄りは身体がもつので、それほど死なないのです(⇒アルツハイマー型認知症は、症候群に過ぎないので、アルツハイマー型認知症の発病が原因で死ぬことは無いのです。死因の病名とはならないのです!)。

      

&3 脳の機能レベルにリンクしたアルツハイマー型認知症の症状

(1)   「三段階」に区分される症状の類型と区分の基準

ⅰ)アルツハイマー型認知症研究の専門家達は、末期の段階で発現してくる症状だけしか知らないのです。失語や失認や失行(紛いの)症状が初期症状であると誤解していて、それ等の症状より重い症状だけが、「アルツハイマー型認知症」の症状であると誤解しているのです。発病の原因(メカニズム)について、アミロイドベータの沈着とか、タウタンパクの蓄積とか、脳の萎縮とか、アセチルコリンの不足とかが原因で、『記憶障害』が惹起されることが、発病の原因であると想定しただけの単なる憶測を基礎としているだけなのです。科学的で客観的な根拠が存在していない上に、発病との間の『因果関係』も未だに実証することが出来ないでいるのです。

ⅱ)私たちは、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル(前頭葉の機能レベルを「かなひろいテスト」で判定し、左脳及び右脳の機能レベルをMMSEテストで判定し、且つ、両者の組み合わせにより、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを総合して判定します)を精緻に判定することが出来るだけでなく、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現してくる症状を「三段階」に分けて判定します。

「アルツハイマー型認知症」は、器質的な原因病変が何等確認されないのに、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界、意識的な世界で、状況の分析、理解と判断、テーマの発想、実行の企画と計画、実行結果のシミュレーション、シミュレーション結果に基づく比較と評価と選択、更には、実行の決断、或いは、抑制や感動等の機能、『実行機能』と総称される『前頭葉』の個別認知機能群の発揮に支障が出てくる原因である『廃用性の機能低下』という要因の存在に、世界で初めて気づいたのです。更には、「廃用性の機能低下」をもたらす要因が、「仕事」とは無縁となる『第二の人生』での脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続であることを発見し、市町村での住民参加型の地域予防活動を指導する実践の場で、私たちの考え方(根拠)が正しいことを、疫学的方法により実証してきたのです。

ⅲ)「アルツハイマー型認知症」は、何年もかけて、徐々に緩やかに進行していくのが特徴であり、その様々な症状は、『回復の可能性の困難度』という視点から『三段階に区分される』のです。つい先日まで、特段の支障もなく『社会生活』を送れていて、自分なりに趣味や遊びや交遊や運動を楽しむ生活を送れていて、地域の催事や行事への参加や参画を楽しんでいたお年寄りが、突然、『失語や失認や失行(紛いの)』の症状が出てきて、『セルフケア』にも支障が出てきて『介護が不可欠』になる等の状況が起きて来はしないのです。

『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』が本態なので、症状が緩やかに徐々に段階的に進行していくのが特徴なのです。最初に、小ボケの段階の症状が、次いで、中ボケの段階の症状が出てきて、最後に、末期の段階である大ボケの段階の症状が発現してくるのです。

小ボケ 症状の回復/進行の抑制が可能な段階

中ボケ 症状の進行の抑制が未だ可能な段階

大ボケ 症状の進行の抑制さえも最早困難な段階

ⅳ)「アルツハイマー型認知症」の症状の治療に効果がある「」は、発病のメカニズムからして、存在し得ないのです。

①   治療の効能を有する『』は、未来永劫存在し得ない

②   症状の進行を遅らせる効能を有する『』も、存在し得ない

③   回復させ(治すこと)及び症状の進行を遅らせる効能があるのは、『脳のリハビリ』(前頭葉を含む脳全体が活性化する生活習慣の構築と日々の実践の継続)だけ

ⅴ)「脳のリハビリ」の指導の継続的な実施業務を担えるのは、医師ではなくて、市町村の保健師さんだけ。医師の場合には、一定規模での売り上げと利益を上げることが必要不可欠の命題である為に、早期診断(治すことが可能である早期の段階、小ボケ及び中ボケの段階を見つけること)に不可欠の手技である『二段階方式』に代表される神経心理機能テストの使用だけでは、必要な規模での売り上げと利益を稼ぎ出すことが出来ないのです。CT、MRI、SPECT、或いはPET等の機器の使用は、高額の診療費は稼げても、早期診断には無用の長物なのです。

『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であるが為に、早期診断と「脳のリハビリ」の実施による回復及び介護の予防、更には、「前頭葉」が活性化する『生活習慣』の指導による発病自体の「予防」については、医師(医療機関)の出番が全く無いのです。医療機関の出番が出てくるのは、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が出てきているお年寄りに対しては最早回復/症状の進行の抑制が困難であり、症状の出方を抑制したり、或いは逆に、高揚させる為の効能を有する4種の薬(治療薬ではなくて、「対症療法薬」に過ぎないのです)を使用することに因り、家族を含む『介護する側』の労役の負担を或る程度緩和することが出来るという意味と程度での出番しか期待できないのです。

(2)   最初に発現する「軽度認知症」(小ボケ)の段階に特有で、代表的な症状の8項目(記憶障害に起因した症状の発現は皆無であり、「前頭葉」の機能障害に起因した症状ばかりが発現してくるのです)。

□発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

(3)「アルツハイマー型認知症」の発病としての症状、言い換えると、最初の段階である「小ボケ」の段階の症状が発現してきているお年寄り達の脳の何処にも、「器質的な原因病変」はその欠片も見当たらないのです。加えて、「記憶障害」に起因したと考えられそうな症状は全くのこと確認できなくて、それらの全てが『前頭葉の機能障害に起因した症状』(言い換えると、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した症状)ばかりなのです。

ⅰ)小ボケの症状は全て、「前頭葉」の機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、意識の構成要素に対する「認知度」及び機能の発揮度を下支えし/左右している機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能(「前頭葉」の三本柱の機能)が的確、且つ十分には働かなくなってきていることが直接の原因なのです。

ⅱ)実行機能(Executive Function)の発揮は、「前頭葉」の三本柱の機能により左右され/下支えられているという『機能発揮上の二重構造』の問題が存在しているので、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、注意の分配力の機能(最も高度な機能であり、異なった「複数のテーマ」を、同時に、並行して処理する上で不可欠の機能)が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因して、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが唯一直接の原因で、『アルツハイマー型認知症』を発病し、症状の重症化が進行していくこととなるのです。 

ⅲ)「小ボケ」では、『社会生活』面で発生してくる種々のテーマを実行するのに必要となるレベルでの「前頭葉」の個別認知機能(「実行機能」と総称される)が、廃用性の機能低下の進行により、十分には発揮出来ない機能状態に在るのです。意欲が湧かない、注意の集中力の発揮が続かない、注意の分配力がきちんと働かないことが原因で発現する「小ボケ」の症状のイメージは、家の外に出て行き、他人と交わり、何等かの共通の目的を実行する場である社会生活面での様々な支障が出てくるのが特徴なのです。何かにつけて人を頼ろうとする『指示待ち人』が特徴なのです。上述の機能面の理解に立って、上掲の8項目について、見直してみてください。それ等の症状が、「記憶の障害」に起因したものではなく、「前頭葉」の機能障害に起因して発現した症状であることが理解できるでしょう。

(4)「中ボケ」(中等度認知症)の段階の典型的で特有な症状の類型

ⅰ)「脳のリハビリ」に励むことなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されたままで居ると(「小ボケ」の期間が3年も続いていると)、次は、『中ボケ』の段階に移っていくことになります。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、『前頭葉』の機能が更に異常なレベルに衰えてきている上に、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルにあった左脳、右脳及び運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきているのです。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続したままの状況下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく結果、『中ボケ』の段階に入ると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、異常な機能レベルに衰えてきていることに注意が必要です。アルツハイマー型認知症の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにリンクして/反映した形で、「三段階に区分される症状」が、順次、発現してくるものなのです。

「前頭葉」の機能レベルを判定する「かなひろいテスト」は不合格のままで、左脳及び右脳の機能レベルを判定するMMSEの換算点が23点以下15点以上の範囲の人達を言います。前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現している『中ボケ』の段階のお年寄り達のイメージは、『家庭内の簡単な用事』程度のこともちゃんと出来ないのに(「家庭生活」の面でも、種々様々な『支障が出てくるようになる)、口先だけは一人前、『失敗しては、言い訳ばかりしている幼稚園児』(4~6歳児のレベル)が特徴なのです。

「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があります。「意欲も湧かないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし・・」と感じていて、『以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい』という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。ところが「中ボケ」の段階になると、「前頭葉」の機能レベルが更に異常なレベルに低下してきている上に、左脳及び右脳の機能も異常なレベルに低下してきているのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続してきたことに起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります(「中ボケ」の特徴)。

現在の自分に起きてきている状態に対する自覚がないので、不安も全く感じていないのです。逆に、家族が『こんなところが、おかしい』と指摘しても、『そんなことはない。私は、ボケてなんかいない』と言い張り、自分のおかしな行動についての、一端の言い訳(ヘリクツの類)ばかりを並べ立てるのが特徴なのです。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、前頭葉の機能がそこまで衰えてくると、自分自身のおかしさに、気づくことが出来なくなるのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映した脳の機能年齢は6~4歳児のレベルとなります。『末期の段階』である「大ボケ」の段階でなくて、認知症研究の専門家達が未だ発病してはいないと誤解している段階、私たちの区分で言う「中ボケ」の段階で、前頭葉を含む脳全体の機能レベルが原因で、「典型的な症状の類型」として、以下に例示するような症状が自分に起きていることさえも自覚できないのです。発病の最初の段階である「小ボケ」の段階で、「自分らしさ」が出せなくなるのです。

政策大綱が目標として掲げる社会状況の構築、『認知症の人の意思を尊重し、「認知症の人」が住み慣れた地域で自分らしく暮らせる』社会の構築という設定条件自体が、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階である「大ボケ」の段階の症状しか知らないだけでなくて、その症状が発現しているお年寄りの「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルについての理解不足(『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクした「三段階」に区分される症状が発現してくるのが、アルツハイマー型認知症の特徴)であり、「脳の機能レベル」に見合った対策(予防及び共生)が不可欠となるのです。『アルツハイマー型認知症』を発病した最初の段階である『小ボケ』の段階で、『前頭葉』の機能、就中、「注意の分配力」の機能を筆頭にした三本柱の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、且つ、そのことが原因で、『自分らしい生き方の追求が困難となる』のです。この極めて重要な視点が欠けているために、設定した目標自体が『空虚な内容』となっているのです。大綱の策定に参画した有識者たちが、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を知らない(『DSM-4』の規定の第二要件の内容に惑わされていて、発病と知らないで、見落としている)為に、『的外れの目標内容』となってしまっているのです。私たちが問題提起している小ボケ及び中ボケの段階の前頭葉を含む脳全体の機能レベル及びその機能的な意味について、真剣な議論と深い研究と理解が必要と考えるのです。

ⅱ)「中等度認知症」(中ボケ)に特有で、代表的な症状の8項目

□簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる

□家庭内の簡単な用事程度のこともきちんと出来ない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、簡単な庭仕事さえもきちんと出来ない)

□自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来ない

□服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る)

□入浴時の温度管理が出来ず、体を洗わないとか石鹸がついたまま

□料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着ている)

ⅲ)「中ボケ」は、「かなひろいテスト」は不合格のままで、MMSEの換算点が23点以下15点以上の範囲の人達です。

「時の見当識」が揺らいでくるので、MMSEで測定される「時の見当識」(5点が満点)の得点は、4~2点の幅となります(猶、小ボケは5点。大ボケは1~0点になります)。更に、「アルツハイマー型認知症」である場合は(且つ、その場合に限り)、MMSEの下位項目について出来なくなっていく厳格な順番があり、その順番は、『項目困難度』が高い方から、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、図形の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名となるのです。更に、例えば、『時の見当識』の項目についていうと、日、年、月、季節、昼夜の順番に出来なくなっていくのです(関係する脳機能が衰えていく)。

ⅳ)□季節が分からなくなる(夏にセーター等、季節違いの服を平気で着る)という「中ボケ」の症状は、季節が分からなくなってきているという「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの反映であり、□今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐという大ボケの症状は、昼夜が分からなくなってきているという「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの反映であり、いずれの症状も、『前頭葉』の機能障害、就中、「注意の分配力」の機能が顕著に異常なレベルにまで低下して来ていることが直接の原因なのであり、『4つの仮説』が「単なる憶測」をもとに想定した前提としての「記憶障害の症状」でもなければ、「記憶障害に起因した症状」でもないのです。

これ等の内容は、私たちが二段階方式の手技を活用して集積した精緻な判定結果に基づいた14689例にも及ぶアルツハイマー型認知症発病患者の脳機能データが示す事象事実を基礎としているのです。

(5)末期の段階の「大ボケ」(重度認知症)の段階の脳の機能レベルとそれに厳密にリンクした特有で典型的な症状の類型の概観

ⅰ)「中等度認知症」(中ボケ)になっても「老化現象」と勘違いしたりして、気づかないまま手をこまねいて居て、「脳のリハビリ」に励むことなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が更に進んでいく為に(中ボケの期間が 2~3年間続いた後は)、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていきます(猶、「DSM-4」の規定が、アルツハイマー型認知症と診断する上での十分条件として確認を要求している失語、失認又は失行の症状は、大ボケの段階でも後半になって初めて発現が確認される症状、「MMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される」ことになる、『極めて重度の症状』であることに注意して頂きたいのです。「第二の要件」に従って、「アルツハイマー型認知症」発病の有無を診断している限り、せっかく見つけても手遅れ、治すことは最早出来ないのです)。私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」で見つければ(早期診断)、治すことが出来るのです。

ⅱ)「大ボケ」になると、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきているのです。左脳と右脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上に、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」は殆ど機能しなくなってきているのです。挨拶程度の日常会話を交わすにも、ハサミとか歯ブラシ等、手に持っているものの用途を理解するにも、ズボンをはくにも、『注意の分配力』の機能が一定レベル以上の機能レベルに在ることが、『不可欠の条件』なのです。「注意の分配力」の機能が、ほとんど働くことが出来ないまでに、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきていることが原因で、簡単な日常会話も交わせないし、歯ブラシの使い方も分からないし、ズボンのはき方も分からないのであって、「記憶障害」が原因でそれらの症状が発現してきているのではないことに、専門家とされる人達が早く気付いて欲しいと願うのです。

『アルツハイマー型認知症と言うタイプの認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である』とする、私たち独自の主張に対し、専門家達が真摯に向き合って欲しいのです。

ⅲ)「大ボケ」のイメージは、「脳の寝たきり」なのです(セルフ・ケアにも支障が出てきて、介護が不可欠となる)。即ち、「意識的な世界」における「前頭葉」の個別認知機能(「実行機能」)の機能の発揮度を支配し/下支えている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が殆ど働かなくなってきている状態にあるのです。「重度認知症」(大ボケ)の脳の働きは、3歳児以下(下は、0歳児まで)のレベルと考えて下さい。「前頭葉」、左脳、右脳の機能が更に異常なレベルに衰えていく中で、MMSEの換算点が14点以下から大ボケの段階に入っていき、一桁の点数になってくるあたりから、「DSM-4」の規定の第二の要件が確認を要求している失語や失認や失行などの症状が発現して来ることになるのです。

ⅳ)『DSM-4』の規定内容に微塵も疑いを持っていない医師達が行う発病の有無の診断、医療の現場では、「第二要件」が規定する失語や失認や失行の症状が初期症状であると誤解しているので、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の前半で発現が確認される症状を誤って、「アルツハイマー型認知症」の初期段階の症状という表現を使用しているのですが、「脳のリハビリ」により実際に「回復させることが可能な」本当の意味での早期の段階は、私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までのことなのです(早期診断)。

大ボケ」の段階の症状が発現してくるまでに『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してくると、最早治すことは出来なくなるのです(アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではない。極めて重度の症状である「失語や失認や失行の症状」が初期症状だと誤解していて、医師達が見つけて居る段階が遅すぎるが為に治せないだけなのです。極めて重要なポイントなのです!!)。

ⅴ)末期の段階である「大ボケ」の段階に症状が進行してくると、身体がもつ限り(何らかの病気や寿命により死を迎えることになるまで)、前頭葉を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、最終的には植物人間のような状態にまで脳の機能が衰えていくことになるのです。

ⅵ)「大ボケ」の段階になると、その初期においてさえ、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」が殆ど寝たきりの状態になっている為(異なる複数のテーマを同時に並行して処理する為の不可欠の機能である『注意の分配力』の機能が、殆ど機能出来なくなってしまっているので)、これまでの人生で何度となく体験して身体に浸み込んでいるような「簡単な言葉」や「簡単な身体の動きを伴う行為」、或いは「単純な状況」に対しては、或る程度の対応が出来るのですが、折々に直面する新しい状況や経験が浅いテーマに対しては、その目的や意味を理解することも、対応することも出来ないのです。

ⅶ)『DSM-4』の規定の「第一の要件」に従って、医師が「アルツハイマー型認知症」の発病であると診断する症状である「重度の記憶障害」の症状は、一つには『加齢』による機能低下の進行という要因により、更にもう一つ別の決定的な要因である、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続という要因に起因した、廃用性の機能低下という要因が加重されること、『異なる二つの要因が同時に存在し、充足されることの相剰効果』により、発現してくるものなのです(他の症状も同じメカニズムで発現してくることに注意!!)。

脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」の『御者』)が、殆ど働かなくなっている(寝たきり状態に在る)上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない『大ボケ』の段階では、自分の身の回りのことをする『セルフ・ケア』にも支障が出る。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分で出来なくなり、日常生活面での「介助」や『介護』が不可欠の状態となるのです。

ⅷ)「重度認知症」(大ボケ)に特有で代表的な類型的症状の8項目

□着ている服を脱ぎたがらないし、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□服を正しく着られないで、ズボンを頭から被ったり、上着に足を通したりする

□家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする

□自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□今が昼なのか夜なのかが分からなくて、夜中にも大声で騒ぐ

□痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

注1)これらの症状が「記憶障害」に起因したものだと主張する、その科学的及び医学的な根拠は何なのか。私たちは、意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』と言う脳機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきた結果、殆ど機能しえないまでに衰えてきた脳の機能レベルを直接反映しているに過ぎないと主張しているのです。推測ではなくて、14689例(「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階の症状から構成されている)もの生きた人間の『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「アルツハイマー型認知症」の症状の解析を根拠としているのです。

ⅸ)私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っているのです。上掲の『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状、「アルツハイマー型認知症」としての症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではないのです。上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れた為に着ることが出来ない訳でもないのです。「前頭葉」の三本柱の機能の中でも最も高度な機能であり最も早く衰えて行く機能である『注意の分配力の機能』(異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して処理する為に不可欠の機能)が、殆ど機能しないまでに機能低下してきていることが直接及び核心的な原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、『服を正しく着ることが出来ない』だけなのです。『家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする』という症状も同じことなのです。「配偶者を我が子と間違える」のは、「記憶障害」に起因している症状ではなくて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映しただけのもの、就中、『注意の分配力の機能が、殆ど働かないレベルにまで、廃用性の機能低下の進行により機能が低下してきている』為なのです。「DSM-4」の規定が「第二の要件」で確認を要求している失語、失認又は失行の症状も、『服を正しく着ることが出来ない』症状の事例で説明したのと全く同じメカニズムの下で発現してくるものなのであり、『「記憶障害」に起因して、それらの症状が発現してきている』との考え自体が、重大な誤り、誤解に基づく単なる憶測というべきものなのです。認知症研究の専門家達は、『注意の分配力』の機能についての理解が浅すぎるのです。『注意の分配力』という機能の深い理解が無い限り、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを解明することは不可能事となると言っても過言ではないのです。

私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界では、『自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想して、思いついたテーマの実行内容を企画し、計画し、実行結果の洞察推理シミュレーションを行い、シミュレーションの結果を評価し、比較し、選択して、最終的な実行内容及び実行の仕方を決定して、実行の決断をして、脳の各部に必要な指令を出しているのです。

上記赤字で表記した機能が「前頭葉」の個別認知機能群(『実行機能』)であり、個別の「実行機能」が発揮されるには、意欲、注意の集中力の機能の発揮は当然のことながら、『注意の分配力』の機能の発揮なしには、何事も行い得ない事(機能発揮上の二重構造の存在)を理解すべきなのです。『意識』の機能構造を解明する上で、『注意の分配力』の機能構造の理解が不可欠となるのです。

注2)例示した、発病の最初の段階である小ボケの症状、それに次ぐ、中ボケの症状、末期の段階である大ボケの症状は、「記憶障害」に起因して発現するものではないのです(専門家達の想定条件の誤り)。私たちが規定する発病の「第二の要件」であり、発病するか/否か及び症状が重症化するか否かを決定づける核心的な要素である、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因が、複合機能体である『前頭葉』の機能障害を惹き起こす真犯人なのです。そして、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化を進行させている真犯人が、『前頭葉』の機能障害なのです。「前頭葉」の個別認知機能である「実行機能」の発揮度を左右し/下支えている機能であり、最も高度な機能である「注意の分配力」を筆頭にして並びに注意の集中力及び意欲という機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続により、廃用性の機能低下を進行させていくことが直接の原因となり、「実行機能」の発揮度を次第に低いものにしていくことに因り、前頭葉を含む脳全体の機能レベルが徐々に低下していき機能レベルが次第に異常なレベルのものとなり且つ、その状態が更に進んで行くことの直接の反映としての、前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクした三段階に区分されるアルツハイマー型認知症の症状を発現させていくのです。これが、アルツハイマー型認知症を発病させ、症状の重症化を進行させているメカニズムなのです。私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』に目を向けること、『実行機能』と『前頭葉の三本柱の機能』との間に横たわる『機能発揮上の二重構造』の関係、様々な個別認知機能の集合体である実行機能が働く上で不可欠である『注意の分配力』の機能構造の理解が不可欠となるのです。

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