認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

脳が活性化されたハワイ旅行の楽しい日々の想い出写真(A-96)

2013-10-15 | 楽しくて意欲が湧いてくる生活と脳の活性化

○ 意識的な世界を支配する脳の司令塔の「前頭葉」の機能

 私達の意識的な思考や行為や言動の世界で、何かの「テーマ」を意識的且つ適切に行おうとするに際しては、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」が正常なレベルに在って機能することが必要な条件となります。私達の意識的な世界でその「前頭葉」は、左脳、右脳及び運動の脳という3頭の馬を操る御者の役割をしているのです(「3頭建ての馬車」の御者の役割)。

私達が意識的に何かの「テーマ」を実行しようとするとき、どのような「テーマ」をどのように実行するか、「運動の脳」をどのような目的のためにどのように働かせるか」(身体を意識的に動かす「テーマ」)、「左脳」をどのような目的のためにどのように働かせるか」(言葉や計算や論理や場合分けなどデジタル情報を意識的に処理する「テーマ」)、「右脳」をどのような目的のためにどのように働かせるか」(色や形や空間認知や感情などアナログ情報を意識的に処理する「テーマ」)は、「前頭葉」が決めているのです。言い換えると、「左脳、右脳及び運動の脳」という3頭建ての馬車の御者である司令塔の「前頭葉」が3頭の馬と協同しつつ周りの状況を判断して、「テーマ」とその内容の組立及び実行の仕方を決定し、且つそれらに対し必要な指令を出して実行しているのです。これが、意識的な行為や言動或いは思考の実行における脳の働き方の全体像なのです。手足となる「三頭の馬」を十分に働かせられるのも、不十分にしか働かせられないのも、全ては「前頭葉」の働き次第ということになるのです。 

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(コーヒーブレイク) 或る時期私は浜松医療センターの脳外科で、患者の治療前と治療後の脳の働き具合を調べる仕事をしていました。その関係で、様々な「神経心理機能テスト」を開発する仕事に挑戦しました。頭のてっぺんの所には、身体を動かす指令を出す「運動の脳」があります。脳卒中で、半身麻痺になる人がいます。運動の脳の左の部分が壊れると、右半身麻痺が起きます。右の部分が壊れると、左半身麻痺が起きます。運動の脳の左の部分が右半身を動かしていて、右の部分が左半身を動かしていることが分かるのです。脳の後ろの左側部分には、勉強や仕事などをする為の「左脳」があります。左脳は、言葉や計算や論理や場合分けなど「デジタルな情報」を処理しているのです。脳の後ろの右側部分には、趣味や遊びや人付きあいなどを楽しむ為の「右脳」があります。右脳は、色や形や空間や感情など「アナログな情報」を処理しているのです。

 額のところには、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」があります。その「前頭葉」には、発想したり、計画したり、工夫したり、推理やら洞察をしたり、機転を効かせたりするための様々な働きが詰まっています。更には、自分の置かれている状況を判断し、種々ケースワークしたうえで、実行テーマの内容や実行の仕方を選別して、最終的に決定するために必要な「評価の物差し」という大事な働きがあります。私たちが遭遇する様々な状況に対して、自分なりの適切な選択が行えるのは、この評価の物差しがあるからなのです。

 

 ○ 意欲、注意集中力及び注意分配力の加齢に伴う衰え方

 脳全体の司令塔で、置かれている状況を判断したり、何かを思いついたり、計画を立てたり、工夫したり、洞察や推理をしたり、機転を利かせたり、感動したり、抑制を働かせたり、各種の高度な働きを担当している「前頭葉」の機能、中でも、その認知機能を発揮する上でとりわけ重要な各種情報及び状況の「認知度」並びに発想、洞察、工夫、機転、評価及び決断など「前頭葉」の高度な各種認知機能の「発揮度」を左右する機能である「前頭葉」の三本柱の機能、具体的には「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の働きには、「加齢と共に老化し衰えていく」という重要な性質があるのです(「正常老化の性質」)。

 「前頭葉」の各種認知機能の発揮度を左右しているこの「三本柱」の機能には、18歳から20歳代の半ばまでがピークで、20歳代の半ばを過ぎるころから100歳に向かって緩やかではあるが、一直線に衰えていくという「内在的な性質」があるのです。 「アルツハイマー型認知症」を発病する人の割合が急に多くなってくる60歳代後半にもなると、脳の使い方としての生活習慣の如何に関わらず、そうした性質を持つ「前頭葉」の三本柱の働き具合は、ピーク時の18歳から20歳代の半ば頃に比べて、半分以下のレベルにまで衰えてきているのです。 認知症の大多数90%以上を占めていて、専門家達からは原因も分からないし治らないし、予防することもできないと言われている「アルツハイマー型認知症」の正体は、加齢による脳の老化という性質(正常老化の性質)が基本に存在するのです。この「加齢による脳の老化」という問題が基本にあるからこそ、「アルツハイマー型認知症」は、若者には関係なくて、「60歳代以降のお年寄りだけが発病の対象になる」のです。

   

 ○ 廃用性の機能低下により脳の機能が衰えていく順序

脳全体の司令塔の役割を担っていて、自分の置かれている状況を判断したり、何かを思いついたり、計画を立てたり、工夫したり、洞察や推理をしたり、機転を利かせたり、各種の高度な働きを担当しているのが「前頭葉」なのです。中でも、意識的に何かの「テーマ」を実行する場面で、「前頭葉」の各種の「認知機能」を正常に発揮するには、一定レベル以上の「認知度」が確保されていることが必要となります。その「認知度」を左右する機能の三本柱が、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の働きなのです(「前頭葉」の各種認知機能の発揮度に関わる「二重構造」の問題)

然もこの三本柱の機能には、上述したとおり、「加齢と共に老化し衰えていく」という重要な内在的な性質があるのです。生き甲斐や目標もなく、趣味や遊びや人付きあいもなく、運動もせず、何らかの社会活動に参加する機会もない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を送っていると言うことは、脳の機能面から言うと、「前頭葉」の機能の中でも最も基本的で不可欠な機能であり、「認知度」を左右する働きをしている「三本柱」の機能の出番が極端に少ない生活を送っているということになるのです。言い換えると、内在する「正常老化」の性質によって、もともと加齢により機能が衰えていく性質を持つ「前頭葉」の三本柱の働きが、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を送っている中で、膝の筋肉と同じように、廃用性の加速度的な機能低下を起こしてくることになるのです。この加齢により機能低下していく衰え方(衰えるカーブの角度)が予想以上に大きいので、それを下支えしてやる日々の生活、具体的には、自分なりに日々の生活を楽しむ「生活習慣」の構築が不可欠となるのです。「意欲」が湧いてきて、「注意の集中力」や「注意の分配力」を発揮する場面が多い具体的な「テーマ」を、できる限りたくさん且つ蜜に実践することが第二の人生では強く求められることになるのです。

(またまた、コーヒーブレイク) 意識的に何かの「テーマ」を実行する場面で、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、理解、興味、発想、企画、計画、創意、工夫、予見、シミュレーション、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断等、「前頭葉」を構成している各種の高度な認知機能を正常に発揮するには、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠となるのです。認知度が一定レベル以下だと、「前頭葉」の各種認知機能自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。そうした「認知度」の高さ或いは低さを左右しているのが、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「三本柱」の機能なのです(「認知度」と「発揮度」とがともに、「三本柱」の機能レベルと「リンク」している)。ところが、この「三本柱」の機能自体に、「加齢と共に老化し衰えていく」という重要な性質が内在していることは、前述したとおりなのです。脳の司令塔は「前頭葉」であり、その「前頭葉」の三本柱の機能に加齢と共に働きが衰えていくという性質、「正常老化の性質」が内在していることが「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを理解するうえで不可欠の重要な指標となるのです。

 アルツハイマー型認知症は、脳の使い方という視点からの「生活習慣病」なのです。 

正常な老化の過程とはいえ、加齢による老化により「前頭葉」の機能が低空飛行状態に入ってきている60歳を超えた高齢者と呼ばれる年齢の「お年寄り」(年齢が「第一の要件」)が、脳を積極的には使わない生活、言い換えると生き甲斐や目標もなく、趣味や遊びや人付きあいもなく、運動もせず、何らかの社会活動に参加する機会もない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々続けていると(「単調な生活」の継続が「第二の要件」)、出番が少ないために使われる機会が極端に減った「前頭葉」が廃用性の機能低下を起こしてきて、第一の要件と第二の要件とが重なり合うことの相乗効果によって、「前頭葉」を含む脳の老化が加速されていくことになるのです。

廃用性の機能低下により「前頭葉」の働きが加速度的に衰えていくその先に、「アルツハイマー型認知症」(「晩発型アルツハイマー病」とも言います)の発病が待っているのです。(注)第一の要件と第二の要件との相乗効果により廃用性の機能低下が進むときは、直線的ではなくて放物線を描いて加速度的に脳の機能が衰えていくのが特徴です。その場合、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」が最初に異常なレベルに衰えていき、次いで、左脳や右脳が異常なレベルに衰えていくのです。更には、「アルツハイマー型認知症」の場合は、MMSテストで判定される下位項目(「左脳及び右脳」の機能に関する項目)の衰え方にも、明確な規則性があることが重要な特徴なのです(衰えていく明確な順番とそのパターンがあるのです)。「前頭葉」と「左脳及び右脳」のそれぞれの衰え方が、他の種類の認知症或いは認知症と紛らわしい病気(側頭葉性健忘症、感覚性失語症、一過性全健忘、老年期うつ病、緩徐進行性失行など)との鑑別の上で、極めて重要且つ客観的な指標としての役割を果たしてくれるのです。この指標は、「二段階方式」による「アルツハイマー型認知症」判定上の重要な一つの柱となっています。

世界中の認知症の専門家達から原因不明と言われている「アルツハイマー型認知症」は、上述したように、「加齢とともに脳の老化が進む」という(「第一の要件」)と「ナイナイ尽くしの単調な生活の継続」という(「第二の要件」)の二つの条件の「相乗効果」によって、廃用性の機能低下というメカニズムにより、脳の老化が更に「加速」されることにより発病するというのが脳機能データと実践の成果に裏付けられた私達の結論なのです。

 このメカニズムのもとでは、「第一の要件」は誰しも共通であって、「第二の要件」こそが「アルツハイマー型認知症」を発病するかしないかを決定づける条件ということになります。言い換えると、認知症の大多数90%以上を占める「アルツハイマー型認知症」は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続という、第二の人生での「生活習慣」と密接不可分の関係がある病気なのです。「原因も分からないし治せないし、発病を予防することもできない」病気と言われ放置されたままになっている「アルツハイマー型認知症」という病気は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないというのが私達の見解(主張)です。私たちは、市町村での地域予防活動による成果の裏付けの下に、「アルツハイマー型認知症は、早期に発見すれば治せるし、発病を予防することもできる」病気であると確信し、認知症の専門家達や世間の人々に対して主張し問題提起しているのです。

 

 ○ 「アルツハイマー型認知症」の発病を予防するには、日々の生活を楽しむ生活習慣の構築が不可欠

先月の17日から今月の1日までの半月間、日頃密なお付き合いをしているお友達3家族5人で、常夏のハワイに行ってきました。ハワイ島7日間及びオアフ島7日間の行程です。宿泊は、ヒルトンホテルが運営しているリゾートのヒルトン・グランド・バケーションズ・クラブ(HGVC)です。ハワイ島では、ヒルトンのリゾートであるワイコロア・ビレッジのキングスランドにあるビラの部屋(3LDKで130ヘーベーの広さ)に泊まりました。オアフ島では、ハワイアン・ビレッジのラグーン・タワーの部屋(2LKDプレミアのオーシャンフロント)に泊まりました。食材はスーパーで何でも手に入ります。果物は、ファーマーズ・マーケットで朝採れの完熟物(主にパパイヤ等)を買ってくるのです。朝食は、ラナイで季節の果物と軽食を食べ、100%コナ・コーヒーを飲みながら、ハワイの風を満喫して過ごしました。女性陣とTad が食事を作り、Nickが皿洗いという役割分担です。ハワイ島では、ゆったりとしたリゾート・ライフを原則としつつも、レンタカー(6人乗りのSUV)で、ボルケーノやアカカの滝、ワイピオ渓谷等それなりに各地の観光スポットにも出かけました。ハワイ島の一周も敢行しました。オアフ島では、ダイアモンドヘッド登山にも挑戦し、更には友人のご好意により、オアフ島も車で一周しました。そうそう、ご存知のようにハワイに行くと私たち日本人女性は、小柄でスリムで若く見られるので、リゾートの巨大なプールやあの有名なワイキキ・ビーチでも、その姿に自信を持って泳ぎました。肖像権の関係上、その姿をお見せできないのがとても残念です。但し、その時撮影した景色は、今後このブログの中で逐次紹介していく予定です。

ハワイ島のキングスランドのビラとそのラナイでの一風景(Tad撮影)。

 周りは、自前のゴルフ場(これは、キングスコースの方)。

○ ハワイ島の一景色より

左2枚は、ハプナ・ビーチ

○ オアフ島ハワイアンビレッジのラグーンタワーの部屋から見た景色

  

 フロントの景色

  ラグーン・タワー(21Fのオーシャン・フロントの部屋に宿泊)

注)本著作物(このブログA-96に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHPここを「クリック」してください。

機能からみた認知症の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

 

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